36歳のAさんは、妻と子ども1人の3人暮らしです。運良く子どもを保育園へ入れることができ、そろそろマンションの購入を検討しています。年収は550万円、妻はこれからパートを始めるといったところですが、仮に「5,000万円」のマンションを購入しようとした場合、融資を受けることはできるのか……金融機関X・Yの2ヵ所に尋ねたところ、両社の回答は真っ二つに分かれました。いったいなぜでしょうか。みていきます。
「全額ローン」で家を買うメリット・デメリット
「全額ローン」で家を買うメリットとしては、
1.手元に資金を残しておくことで、急な出費や近い将来必要となる資金にも対応でき、家計を柔軟にやりくりしやすくなる。
2.頭金が貯まるまで購入を先延ばしにすることなく、希望の住宅が見つかった際に、速やかに購入できる。
3.住宅ローン控除を最大限活用しやすい。
といった点が挙げられる。
一方、「全額ローン」で家を買うデメリットとしては、
1.金融機関やローン商品によっては、物件価格に対する頭金の割合によって借入金利が変わる(高くなる)ことがある。
2.毎月の返済額が増えるため、収入が減少したり支出が多く発生したりした場合、あるいは借入金利が上昇した場合など、返済ができなくなる可能性が高くなる。
3.返済期間中の住宅価格の下落などが原因で、住宅ローンの残債が住宅の時価額を超えた状態(担保割れ)になる可能性が高くなる。担保割れの状態では、住み替えなどの理由で住宅を売却することになった際に、売却代金で住宅ローンを完済できず、差額を手持ち資金でまかなうことになる。
4.金融機関における審査が厳しくなる可能性がある。
といった点が挙げられる。
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連載「セゾンのくらし大研究」発…あなたの大切な資産、どう守る?
FP Office株式会社
ファイナンシャルプランナー
愛知県内の信用金庫に20年以上勤務し、多数の店舗で個人・法人の資金計画等のコンサルティング業務に従事。顧客の夢や課題・悩みを共有し解決に導いてきた。自身の家族が増えたことをきっかけに、ライフプランニングの必要性と顧客に長期的に寄り添う重要性を認識し、FPへと転身。
個人の資産運用・保険・住宅ローン、法人の融資や事業計画策定といった幅広い実務経験を活かし、顧客に寄り添う丁寧なコンサルティング業務が顧客から支持されている。
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