ソニー生命が公表した『子どもの教育資金に関する調査 2023』。大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1,000名へのアンケートですが、そこから見えてきたのは、子育て世帯の厳しい現状でした。みていきましょう。
年収520万円・50代サラリーマン、子ども大学進学に眩暈…思わず「ツライ」とこぼす子育て世帯の悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

50代前半の大学生の親…平均給与は30年前と同水準

――収入の維持や増加に自信がない

 

そもそも親はなぜこのように考えてしまうのでしょうか。それはかれこれ20〜30年、日本人は「給与は上がらない」という経験しかしてないからだといえるでしょう。

 

現在、第1子誕生年齢が男性の場合33歳ということから鑑みると、大学生となる男親は50代前半くらいだと考えらえます。50代前半、サラリーマン(2021年/1年勤続者/男性)の平均年収は520万円。これは1991年533万円を下回る水準です。

 

【50代サラリーマンの年収の推移】

1990年 :507.5万円

1991年 :533.3万円

ーーーーーーーーーーーー

1995年: 557.8万円

ーーーーーーーーーーーー

2000年 :542.5万円

ーーーーーーーーーーーー

2005年:503.6万円

ーーーーーーーーーーーー

2010年 :493.8万円

ーーーーーーーーーーーー

2015年 :508.6万円

2016年 :504.3万円

2017年 :518.5万円

2018年 :528.5万円

2019年 :524.5万円

2020年 :514.3万円

2021年 :520.1万円

 

出所:国税庁『民間給与実態統計調査』より

※数値は2021年/1年勤続者/男性

 

さらに冒頭にあるように、インターネットを活用した教育システムが当たり前になるなか、教育費の負担は拡大傾向。そして昨今の物価高で、実質的に給与は目減り。子育て世帯は、まさに踏んだり蹴ったり。そろそろ、身を削るのも限界かもしれません。