パニック状態に陥ったときに行うべき「唯一のこと」
あり得ないことまで想定してトレードをすることは非常に難しく、プロトレーダーでも技術が身に付いている人は少ないです。そのため、初心者トレーダーであればあるほど、パニック状態に陥ってしまった場合の対処法をおさえておくべきでしょう。
ポイントは「考える前に行動すること」です。相場の急変は突然現れるものです。特に、市場参加者が想定していないようなハプニングが起こった際は、価格変動が激しくなります。一瞬一瞬で相場の流れが変わる場面では、ちょっとした気の迷いが大きな損失を生みます。
損切りするかしないかを迷っているうちに、10~20pipsほど含み損が膨らんでしまうことはよくあることです。相場の急変で含み損になってしまった時点で、そのポジションはプラスに転じることはないものだと認識し、早急に損切りするべきでしょう。FXトレーダーである以上、いち早く現在起きていることを冷静に分析し、自分のなかでネガティブな感情が芽生える前に最善の行動を取ることが求められます。
パニック状態に陥ったときに重要なことは、そのときの感情に左右されずに、事前に決めたルールを遵守することです。事前に「相場が急変して含み損が膨らんだときはすぐに損切りする」というルールを作ったのであれば、なにも考えずロボットになったつもりで事前に作ったルールに従いましょう。
なにも考えないということに抵抗感がある人もいるかもしれませんが、パニック状態に陥ったときは、考える前に行動したほうが結果的にいい結果に結びつくことが多いのです。
FXは現実を受け止める力があるトレーダーが生き残る
世界FXで継続的に利益を出していくためには「現実をしっかりと受け止める力」が重要です。日頃から「自分なら大丈夫」、「これ以上、状況は悪くならないだろう(希望的観測)」など、根拠のない自信を持ってしまうトレーダーは特に注意が必要です。根拠のない自信を持ってしまうことは、不確定な現実を受け入れる覚悟がないことの裏返しなのです。
プロトレーダーは不確定要素に対する損切りの覚悟ができているために、目の前で起きている現実を冷静に判断することができるのです。プロトレーダーのようなマインドを獲得するためには、相場の不意な急変動に対応できる資金管理ができるようになることが求められます。含み益や含み損に一喜一憂するようなふわふわとしたトレードスタイルでは、不確定要素に対応できません。自分のエントリー判断が間違っていると感じた瞬間に、含み損の額に関わらず損切りする勇気がなければいけません。
FX初心者が強固な勇気を獲得するためには、普段のトレードのロット数を半分以下にして、心理的ストレスを軽減した状態で自分のトレードを俯瞰的に検証することが大切です。「急がば回れ」という言葉があるように、FXで成功を収めるために焦りは禁物です。
また、自分のトレードを根本から変えるヒントは意外にも身近な環境にあることが多いです。現実で生じる変化を敏感に察知することで、トレーダーとしての心構えが自然と身につき、自分のトレードの土台を盤石なものにすることができるでしょう。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員