目指せ、悠々自適!ワンルームマンション投資計画
賃貸でやはり怖いのは空き室になってしまうことです。空き室率を抑えるため、セミナー講師のアドバイスに従い、Aさんは都心部の新築マンションを選びました。一人暮らしのサラリーマンを想定し、駅に近い25㎡で約4,000万円の物件を探し出し、毎月12万円で貸し出すことにしました。
実質利回りは、(家賃収入-管理会社手数料)÷ 物件価格 で求めることができ(セミナーで講師が説明)、Aさんの場合は、約3.3%となり、妻とも「まぁまぁいいね」と納得できるものでした。
Aさんは、ほかに借り入れもなかったので、フルローンで購入することも可能でしたが、毎月の受取額も増えるため、1,000万円を頭金とし、残り3,000万円をローンで購入することに決めました。3,000万円の住宅ローンの返済計画は次のとおりです。
毎月返済額:約85,000円 (総返済額:約3500万円)
Aさんは、ローンや経費を支払っても毎月約25,000円を受け取れる計算になります。
あれ?こんなはずでは…まさかの赤字マンション経営
Aさんの所有した部屋はすぐに入居が決まり、当初から順調に家賃収入を得ることができました。しかし、初年度から困ったことが発生します。固定資産税が結構な負担になることです。Aさんのマンションの場所は、都心のいい場所なので、固定資産税もそれなりの額になります。
そして、マンション投資から3年目に新型コロナウィルスが発生します。Aさんのワンルームに住んでいたサラリーマンは、勤め先が新型コロナの影響で収入が減ってしまった、との理由で退去してしまったのです。すぐにほかの入居者を探しましたが、すでに新築から3年が経過しており、10万円を超える家賃を払ってくれる入居者もなかなか見つからず、Aさんは家賃を下げざるを得なくなってしまいました。
「おいおい、まだ3年目だよ。住宅ローンもあと32年も残っているよ。物件も慎重に選んだはずなのに……。やっぱり新型コロナのせいかなぁ……」
「近頃のニュースでは変動金利型ローンの金利はもう上がらないだろう、と思い込んでしまい、よく考えずに変動金利型でローンを組んでしまいました。ニュースで住宅ローンの金利の話題もよく聞くようになり、これ以上の負担だと赤字になってしまいます」
思い切った投資であるため「やはり投資の失敗は投資で返上しなくては」という思いもあり、あとには引けなくなってしまいました。Aさんは頭を抱えています。