2022年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、2023年1月1日からは、18歳の成人は一般NISA・つみたてNISAでの投資が始められるようになりました。これを受け、高校生や大学生への金融教育がますます重要視されています。本連載では全国の学校で金融教育の出張授業を実践する盛永裕介氏が実際の授業内容をレポートします。
手取り14万…小学生が憧れる職業3位だが「稼げない国家資格職」を目指す若者たち、金融教育で劇的に大変身【証券外務員が指南】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「講義を理解することができた」と回答した学生は80.3%

講義終了後に事後アンケートを集計したところ、「講義を理解することができた」と回答した学生は80.3%、「講義に満足した」と回答した生徒は85.2%でした。この結果から、講義に対する内容を理解できたことがわかります。

 

また、「投資の話を聞く機会が今まで無かったので、将来のお金のことと投資について向き合ってみたいと思った」といった感想が多数寄せられました。「お金についてあまり考える機会がなかったので、すごく貴重な経験になった」という感想も多く、資産形成について触れる機会が少ない学生にとって、金融教育の講義は新鮮に感じていることが伺えます。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

さらに、「人生でかかるお金やお金の価値がどれくらい変動しているのかなどについて、数値化して捉えることでよく内容を理解できた」「具体的に将来自分はどのくらいお金が必要になって、実際今からどのくらいの貯金が必要になるのかを知ることができた」「自分がどれだけ毎月お金を使っているのか見える化されたため、無駄使いを見直していかなければならないと感じた」との回答から、将来の収支計画を考えることで、資産管理の大切さを実感した様子でした。

金融リテラシーを高めるためにはアンテナを張り続けることが必要

短大生や大学生に限らず、これから若年層が資産形成をするには、お金の正しい知識と適切な判断力、いわゆる金融リテラシーの向上が不可欠です。

 

金融リテラシーを高めるためには、自らが金融や経済に目を向け、家計管理や生活設計、適切な金融商品の選択をどのように行うのかを自発的に学習することが求められています。これからの時代を生き抜き、充実した人生を送るためには、お金と向き合い続ける必要があると言えます。

 

盛永 裕介
(株)Japan Asset Management JAM Academy 塾長

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出典:

(1)総務省統計局(2023)「主要品目の東京都区部小売価格」