プロは重要指標前後にトレードしない
重要指標発表前後は、相場全体のボラティリティが高くなりやすく、場合によっては運良く大きく稼ぐことができるのは事実です。しかし、プロのデイトレーダーは、重要指標発表前後はトレードしないことを徹底しています。プロトレーダーは、不確実性が高まるトレードを嫌う傾向があるからです。
不確実性の高いトレードをしてしまうと、余剰資金を拘束してしまうリスクがあり、本当にチャンスが回ってきた場面で、ロットを張ったトレードができなくなってしまいます。プロのデイトレーダーは、指標予想などの推測を頼りにトレードするのではなく、指標発表後の動きに沿ってトレードしようとします。
自分のトレード方法が事実に沿ったトレードか、推測や憶測に沿ったトレードかどうかを確かめることが、プロトレーダーか初心者トレーダーかを測るための基準といっても過言ではありません。少なくとも、重要指標の発表でポジションを持ち越すトレーダーは、リスク管理の観点からプロトレーダーとはいえないでしょう。
必要なのは予測する力ではなく現実に対応する力
解説してきたように、プロトレーダーはチャートの推移をみて、事実に基づいたトレードを心がけています。未来のことは誰にもわからないため、FXにおいて、チャートの今後の動きを予測する力は初心者トレーダーが思っている以上に必要ありません。基礎がしっかりしているトレーダーであればあるほど、実際の値動きをみて売買判断する実戦的な能力が長けています。
また、現実に対応する力は、日々のトレードで培うことができます。現実への対応力は、日々のトレードのなかでも、特に自分の判断で売買することで養うことができます。売買判断を経済アナリストや投資系インフルエンサーに任せていては、いつになっても自分の能力を開花させることはできません。
まずは、現在のチャートを観察して、自分なりのシナリオを立ててみることが大切です。自分で考えることを習慣付ければ、重要指標発表前にポジションを持ち続ける、というリスキーな行動は取らなくなるはずです。そうすることで、無駄な損失を招くことも少なくなり、結果的にプロトレーダーのように毎月プラス収支を安定して残せるようになるでしょう。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員