重要指標で偶然大きく稼いでしまったAさん
経済指標のなかには、株価や為替レートを大きく動かすような重要指標が存在します。重要指標発表前後の相場のリスクを知らずにトレードしてしまうと、いずれ大きな損失を被る可能性があります。この記事では、指標トレードがクセになってしまったトレーダーの例を踏まえて解説していきます。
初心者トレーダーであるAさんは、デイトレード歴2年で、経済指標の存在を意識しながら取引していました。重要指標のひとつである、米国の雇用統計の発表を控えたある日の夜、Aさんは自分がポジションを持っていることを忘れて、指標発表を見ずに寝てしまいました。
次の日、Aさんは自分のポジションの含み益に驚きます。なんと、偶然持っていたポジションが指標発表後の流れと同じ方向であったため、大きな含み益になってしまったのです。
Aさんはこのトレードを機に、重要指標発表前に市場の予想を参考にして、事前にポジションを仕込むトレードをするようになりました。しかし、なかなか指標発表を跨いだトレードはうまくいかず、気づいたときには口座残高を大きく減らす損失額になってしまいました。
誰も事前に結果を知ることはできない指標発表で、誤った成功体験を積んでしまうと、次もまた大きく稼げるという根拠のない自信によって、ズルズルとFXの世界から退場していってしまいます。
経済指標の結果は「誰にもわからない」
先の例のように「私なら経済指標結果を見越してトレードできる」という、根拠のない自信が大きな損失に結びついてしまいます。特に、運よく経済指標前後の相場で利益を上げたことのある人は要注意です。間違った成功体験は、FXを行う上で非常に危険です。トレードで長く収益を上げていくためには、「経済指標の結果を100%予測できる人はいない」という事実を抑えることが大切です。
さまざまなメディアやジャーナリストが、経済指標の予想をしていますが、彼らは仕事として予測をしているだけで、未来が見えているわけではありません。そのような予測を鵜呑みにしてポジション管理を行うということは、他人に自分のポジションを預けているようなものです。
プロトレーダーは、必ず自分のポジションを自分で管理するという決まりを作っています。FX初心者がプロトレーダーを目指すのであれば、まず自分のポジションは自分で管理できるようになりましょう。