(※写真はイメージです/PIXTA)

世界の富裕層や投資家から注目を浴び続ける中東・ドバイ。一方でドバイに注目しながらも、失敗する人も珍しくありません。果たしてどこで成否が分かれるのでしょうか。資産管理のサポートなどを行うBeograd Consulting Group(ベオグラード コンサルティング グループ)埜嵜雅治CEOの話をもとに、ドバイ活用の成功の秘訣を探っていきましょう。前編では「法人設立」と「銀行口座開設」について焦点を当てていきます。

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ドバイが世界の富裕層から注目され続ける理由

――ドバイといえば、グローバルビジネスのハブのひとつとして、確固たる地位を築いています

 

埜嵜:ドバイがグローバルビジネスのハブとなったのは、戦略的な政策と地理的優位性、そして魅力的な税制優遇措置にあります。

 

ドバイは中東、アフリカ、南アジア(MEASA)地域の中心に位置し、アジアとヨーロッパを結ぶ交差点として機能しています。この立地は、多くの国際企業がドバイを拠点として選択する主な理由のひとつとなっています。

 

税制面ではドバイは非常に競争力のある環境を提供しています。ドバイが意識してきたのはシンガポールです。ドバイは1980年代から積極的に外資誘致を進めてきました。そこで意識したのはシンガポールです。シンガポールの法人税率は17%であり、個人所得税も2%から24%の範囲で課税されます。これは周辺国と比べても競争力があります。

 

ドバイはこれをさらに上回る優遇措置によって、急速にグローバルビジネスのハブとしての存在感を発揮するようになりました。2023年6月から導入された法人税率は9%ですが、年間利益がAED375,000以下の場合は免税となります。個人所得税が存在しないことも、高所得者や投資家にとって大きな魅力です。

 

アラブ首長国連邦を構成するドバイ首長国の都市であるドバイ
アラブ首長国連邦を構成するドバイ首長国の都市であるドバイ

 

――税制面で非常に有利であることが、富裕層から注目を集める大きな要因なのですね。一方で、ドバイに移住する人も増えていると聞きます

 

埜嵜:ドバイに移住する人は大きく3つにカテゴライズされます。まずドバイを中心にビジネスを展開している人。ドバイはグローバルビジネスのハブと知られ、法人税や所得税が原則として免除され、特にフリーゾーン内での法人設立では税金の負担がほとんどありません。

 

2つ目がドバイの税制面のメリットに注目した富裕層や個人投資家。個人所得税がかからず、また資産を次世代に相続する際の負担が大幅に軽減されます。

 

そして最近増えているのが、教育移住です。近年ドバイ政府は教育に力を入れ、世界的に評価の高いインターナショナルスクールが多くできました。高品質な教育を提供していることはもちろん、ドバイの多文化的な都市の特長をインターナショナルスクールが色濃く反映しています。世界中から子どもたちが集まり、異なる文化やバックグラウンドを持つもの同士が交流し、国際的な視野を育むことができます。

 

また費用についてもドバイは魅力的です。たとえばシンガポールに教育移住しようとしたら、学費は年間300万円程度かかりますが、ドバイであれば200万円程度と30~50%安い傾向にあります。また物価についてもドバイのほうが安く、生活するうえでも優位だといえるでしょう。

 

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「法人設立」も「銀行口座開設」も単なるスタートラインでしかない

近未来的な光景が広がるドバイの街中
近未来的な光景が広がるドバイの街中

――税制面の優位性に注目し、ドバイで法人を設立する日本人が増えています。ところでドバイで法人を設立するにはどれほどコストがかかるのでしょうか?

 

埜嵜:ドバイには、いくつかのフリーゾーンがありますが、弊社が法人登記のサポートをしているのが「Meydan(メイダン)」です。

 

その費用は「メイダン」のホームページにも記載されていますが、オフィスの費用込みで12,500AED、日本円で約50万円です。サポート会社によりますが、そこに手数料がプラスされます。ただドバイの法人設立はサポート会社に依頼しなくても、インターネットで簡単に登記ができます。書類を出すだけなので、書類に不備がなければ100%登記可能です。

 

――ドバイの法人登記、自分でできるとは知りませんでした

 

埜嵜:ただ、法人を設立される人の多くが、ドバイで法人を維持していくためのランニングコストを忘れがちです。目先の税金だけでなく、隠れたコストもあることをしっかりと認識しておく必要があります。

 

また、どこの国であっても法人活動をするなら銀行口座がなければ何もできず、法人設立と銀行口座の開設はセットで考えないといけません。しかし、銀行口座は審査がとても厳しく、法人設立のように個人での開設は難しいといわざるを得ません。

 

近年、ドバイに限らず、マネーロンダリング防止(AML)や顧客確認(KYC)に関する規制が厳格化されています。必要書類が多く、非居住者にとっては非常に高いハードルです。

 

また、ドバイで法人登記をする人のほとんどが海外取引を目的とした法人登記です。海外への送金や入金が必然的に多くなりますが、銀行はことあるごとにマネーロンダリングを警戒し、少しでも疑いがあれば銀行口座をロック、送金や入金はできなくなります。法人登記と銀行口座開設はあくまでもスタートラインであり、しっかりと運用を続けることに注力していかなければならないのです。

 

――なるほど。銀行口座を開設しても使えないと意味がありませんね。いかにして口座凍結を避けるかは現地事情にどれほど精通するかによりますが、その点、エジプトなど、中東での実績が豊富な貴社に優位性を感じます


埜嵜:ちなみに弊社では法人設立と銀行口座の開設も込みで12,500AED、日本円で約50万円でサポートしています

 

――費用面でも魅力的ですね。ありがとうございます。次回はドバイ不動産の実情についてお伺いいたします

 

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