45歳のサラリーマンが誕生月に手にする「ねんきん定期便」。いままでの年金の加入実績に基づく年金見込み額に焦り、将来手にする年金額に涙する……そんな日本の老後の生活についてみていきましょう。
手取り月45万円、45歳サラリーマン…定年後「年金だけで暮らせますか?」への絶望的回答 (※写真はイメージです/PIXTA)

月18万円の年金で暮らしていくことは可能?

年金18万円弱。厚生労働省の最新調査によると、厚生年金受給者の月平均年金額は14万円ほど。男性の65歳以上に限ると17万円弱ですから、平均的な大卒サラリーマンであれば、平均以上の年金を手にできる計算です。

 

問題は「これで老後は暮らすことができるか」ということです。

 

総務省『家計調査 家計収支編』(2022年)によると、現役を引退した65歳以上の夫婦のみで世帯の1ヵ月の実収入は24万6,237円。そのうち公的年金は21万9,762円です。それに対し実支出は26万8,508円、消費支出は23万6,696円です。

 

仮に大卒サラリーマン×専業主婦という夫婦の場合、年金収入は24.2万円。手取りは実質21万円強。年金だけでは月々2.5万円ほど赤字になる計算です。

 

一方、共働きの場合はどうでしょう。厚生年金を受給する女性の平均年金額は月10万円ほどですから、夫婦で月28万円ほど、手取りで24万円強になる計算。年金だけでも暮らしていける、ということになります。

 

もちろん、一人ひとりライフスタイルが違えば、月々の支出額も異なります。年金だけで十分暮らしていける人がいれば、年金だけでは到底暮らすことができない人までさまざまです。

 

ただ平均点は無職の高齢夫婦の暮らしぶりから考えると、これで老後も安泰かといえば少々不安が残ります。また年を重ねるごとに健康リスクは高まりますし、持ち家であれば修繕費などもかかってきます。突然の冠婚総代もあるでしょう。突発的な出費にも年金だけで耐えられるかといえば、「ムリ!」という答えが返ってくるでしょう。

 

――こんなに働いて、こんなに保険料を払っているのに、年金だけで暮らせないなんて

 

年金だけで老後安泰は難しいという事実に、やるせない気持ちになる人もいるでしょう。ただそれを嘆いても仕方がありません。収入を得る手段が限られる高齢者は、どんなに貯蓄があっても、多かれ少なかれ不安はつきもの。その不安を少しでも軽減するには、可能な限り資産形成を進めていくこと、そして健康でいるうちは働き続けるしか方法はありません。