「受験」というワードを耳にする機会も多い、この季節。そしてお決まりともいえるのが「大学に行っておけばよかった……」という悲壮感溢れる呟き。その理由はさまざまですが、最も多いのが「給与」についての後悔です。みていきましょう。
平均給与月30万円「非大卒サラリーマン」超えられない「大卒の壁」に絶望し、親の学歴に恨み節 (※写真はイメージです/PIXTA)

「子どもの学歴」は、結局は「親次第」

大卒か、非大卒か。もちろん、自身が決めたことかもしれませんが、それ以前に「親の影響」も大きいでしょう。

 

文部科学省『令和3年度 子供の学習費調査』で、親の最終学歴ごとの教育費をみていくと、小学校でも中学校でも高校でも、「親の学歴が高いほど子どもの教育にお金をかける」という傾向が明らかです。

 

【親の学歴別「子どもの教育費」】

◆親の最終学歴「中学校」12万4,748円/32万1,276円/8万9,560円

◆親の最終学歴「高等学校」16万9,676円/31万1,910円/13万1,460円

◆親の最終学歴「大学」29万3,617円/40万3,687円/28万5,215円

◆親の最終学歴「大学院」41万6,007円/50万5,486円/39万2,550円

 

出所:文部科学省『令和3年度 子供の学習費調査』より

※数値は主たる生計維持者の最終卒業学校別に「学校外活動費」を比較したもの。左より、子どもが小学生(公立)/子どもが中学生(公立)/子どもが高校生(公立)

 

また「親が子どもにどの程度の学歴を望むか」で教育費を比べてみても、望む学歴が高いほど教育にお金をかける傾向にあります。

 

【親が望む学歴別「子どもの教育費」】

◆最終学歴「高等学校まで」7万9,799円/17万9,630円/5万0,973円

◆最終学歴「大学まで」28万6,159円/41万0,914円/27万1,498円

◆最終学歴「大学院まで」56万3,657円/ー/―

 

出所:文部科学省『令和3年度 子供の学習費調査』より

※数値は希望進路別に「学校外活動費」を比較したもの。左より、子どもが小学生(公立)/子どもが中学生(公立)/子どもが高校生(公立)。—の箇所はデータなし

 

――親の学歴が高ければ給与もいいのだから、子どもの教育にお金をかける

――親が子どもに対し高い学歴を望めば、教育にお金をかける

 

当たり前といえば当たり前ですが、どれほど子どものお金をかけるかは、親次第といったところ。子どもの進学にも大きな影響を与えていると考えられます。「オレの給料が安いのは、親のせいだ!」というのはあまりに短絡的ではありますが、そう言いたくなるのも仕方がないことかもしれません。

 

昨今、「学歴不問」という風潮があり、「能力」が問われるシーンが増えています。しかし、なにかと「大卒以上」という前提がついて回ることも多く、非大卒だと選択肢が限られていることも。このような状況を打破できるだけの力を身に着けるか、それとも「とりあえず、大学は行っておけ」と背中を押すか、親としての判断が問われます。