晩婚化が進むなか、第1子の出産年齢も上がり、最近は40歳を超えた高齢出産も珍しいものではなくなりつつあります。高齢で親になった場合、老後の考え方も変わってくるようで……みていきましょう。
平均月収41万円・40代で父になる大卒サラリーマン「一生、社畜」の悲哀「君が大人になったら、もう定年か…」 (※写真はイメージです/PIXTA)

一生働き続ける…覚悟がにじむ「40代で父親になる人たち」

第1子誕生の平均値である30代前半。厚生労働省によると、大卒サラリーマン(正社員)の平均給与(所定内給与)は月31.6万円、年収で533.5万円。一方、40代前半の平均給与は月41.1万円、年収で684.4万円。40代で親になると、体力的には厳しいものの、経済的には楽な部分も多いかもしれません。

 

問題は「子育てから解放されるタイミング」。独身時代も長期的な視野で資産形成を進めていれば問題ないかもしれませんが、20代から30代は年齢的にも大きく資産を拡大させることは難しいもの。また子育て中は何かと支出が多くなりがち。やはり子育てがひと段落してからでないと自身の老後は考えられない、という人が多いでしょう。

 

――成人したころには、おじいちゃんだよ

 

そんな40代で父親となった人のつぶやき。親になったのと同時に、定年後も働き続けることは確定で、「一生、社畜も覚悟してます」……喜びと哀しみが入り混じった、なんとも重みのある言葉です。もちろん、子育てと老後の備えが両立できれば、子育て終了とともに、ゆったりとした老後を実現できますし、最近は「定年後も働く」という選択も王道です。

 

また2022年4月に「在職老齢年金制度」が見直しとなり、定年後も働き続けることのメリットが拡大したことは朗報。これまでは賃金と年金月額の合計額が60~64歳で28万円を超えると、年金の全部または一部が支給停止に、65歳以上では47万円を超えると47万円を超えた額の1/2の年金額が支給停止となっていましたが、60歳〜64歳でも上限が47万円に。さらに65歳以降も厚生年金に加入している場合、毎年10月に年金額に反映されるようになったことで、「年金をもらいながら働き続ける」というパターンも有力な選択肢になりました。

 

「在職老齢年金制度」の改正には、他方で「年金財政が厳しく、結局は一生働けと言っているようなもの」「働くほど年金を減らす仕組み」などという批判も。ただ「定年までに資産形成が間に合わなかった……」というケースが目立つ「高齢で親になる人たち」にとっては、今回の法改正は“メリット大”かもしれません。