ふるさと納税で「6ヵ所以上」寄付をしている場合も確定申告を
3.ふるさと納税で6ヵ所以上寄付をした
「ふるさと納税」は、自治体へ寄付することにより、2,000円の負担で特産品などが手に入る制度です。寄付金から2,000円を除いた金額が所得税と住民税から返ってきます。ただし、寄付金額が一定額を上回ると自己負担額が2,000円を超えてしまうため、民間のふるさと納税サイトの試算ページなどで確認しておきましょう。
寄付先が5ヵ所以内であれば「ワンストップ特例」により確定申告は不要ですが、6ヵ所以上の自治体に寄付する場合は忘れずに確定申告をしましょう。
また、寄付先が5ヵ所以内でワンストップ特例の申請をしていても、確定申告をすると特例が消滅してしまうため、忘れずにふるさと納税分も含めて手続きをしましょう。
たとえば年収600万円の単身者の場合、ふるさと納税の目安は7万7,000円です。仮にこの7万7,000円分ふるさと納税をした場合には、寄付金額7万7,000円から2,000円を引いた約7万5,000円が所得税と住民税から控除されます※。
※ 参照:総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」
4.特定の医薬品(スイッチOTC医薬品)を1万2,000円以上購入した
医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)、もしくはドラッグストアなどで購入できる特定の医薬品(スイッチOCT医薬品)を年間1万2,000円以上購入した場合には、「セルフメディケーション税制」を利用できます。
これは対象医薬品の購入金額から1万2,000円を引いた金額が「医療費控除額」となります。なお、セルフメディケーション税制における医療費控除の最高額は8万8,000円です。仮に年間の対象医薬品の購入額が10万円だった場合、ここから1万2,000円を引いた8万8,000円が医療費控除額となります。
5.医療費が年間10万円超
1年間に多額な医療費を支払った場合には、一定の金額を所得から差し引くことができます。たとえば医療費負担額から保険金を除いた金額が30万円の場合、そこから10万円を引いた20万円が医療費控除となります。
4.に記載した「セルフメディケーション税制」と併用することはできないので、確定申告で申請する際にはいずれか一方を選択することになります。
また、医療費は生計が同じ家族の分を支払った場合には合算することが可能です。たとえ一緒に住んでいなくても、毎月生活費を送っているような場合には生計が同じとみなされます。
仮に医療費控除額が20万円の場合には、約2万円の還付が受けられます。
6.災害や盗難などの被害を受けた
台風や地震といった自然災害や火事、盗難などにより被害を受けた場合には、「雑損控除」を受けることができます。また、直接の被害だけでなく、災害に関連して支出した費用も控除の対象となります。ただ、保険金が出た場合はその金額を差し引くことになります。
たとえば台風で300万円相当の被害があり、保険金が150万円支払われた場合は、下記の計算から90万円の控除となります。
確定申告をすることで、約9万円の税金が還付されます。
まとめ
このように、6つの条件に該当すれば、会社員も確定申告によって還付金を受け取ることができます。状況によっては支払っている所得税と住民税の大半が返ってくることもあります。自分自身が利用できるケースがないか確認してみてください。
なお、還付金は手続きをしてからおおよそ1ヵ月後に指定の口座へ振り込まれます。返してもらえる税金があるのに知らずに取り戻せないということがないよう、最新の情報をチェックしましょう。
武田 拓也
株式会社FAMORE
代表取締役