平均年金受取額…平均月14万5,665円
最近、異次元の少子化対策がホットワードになっていますが、自分のことを考えると、やはり将来が不安。年金財政が厳しいという話もよく聞きますし、「本当に、年金ってもらえるの?」と不安を募らせている人も多いでしょう。
「少子高齢化により年金財政は厳しくなる」と国は認めていますが、「年金額がゼロになること」「公的年金制度がなくなること」はないと言い切っています。
ただし「いまの水準の年金を手にできる」ことは約束しておらず、『2019年財政検証結果レポート』*1による試算レポートによると、2045年ごろの厚生年金の所得代替率*2は45.0%~52.4%。一方、現状は61.7%。所得代替率が50%近くまで下がったとすると、およそ2割、年金額は目減りとなる計算になります。
*1:財政検証は、少なくとも5年ごとに実施される、公的年金財政の健全性を検証するもの。公的年金の長期に渡る収支やマクロ経済スライドに関する見通しを作成して行われる
*2:年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(賞与込み)と比較してどのくらいの割合かを示す数値
もちろん、これは年金額であり生活水準とは別の話なので、2割減の年金額でも今より豊かな生活が送れる……という可能性はゼロではありません。ただ、そうはならない可能性のほうが断然高いといえます。やはり現役世代は、早い段階から将来を見据えて自助努力を続けなければいけない、ということのようです。
とはいえ、現在、年金を受け取っている高齢者のうち、過半数が「収入は年金のみ」という人たち。現役を完全引退したあとの生活を支えるのは「公的年金」という位置づけは、この先も変わらないでしょう。
厚生年金(厚生老齢年金)の支給開始年齢は60歳から65歳となり、男性は2013年~2025年にかけて、女性は2018年から2030年にかけて引き上げられます。男性は1961年4月2日以降、女性は1966年4月2日以降生まれであれば、原則65歳から厚生年金を受け取れるようになります。
実際、どれほどの年金を手にできるのでしょうか。平均値*は、国民年金の場合、月5万6,479円。満額支給は月6万4816円なので、平均値はそれよりも1万円ほど低くなっています。
一方、元会社員や公務員だった人は、平均月14万5,665円。ただしここには繰り上げ受給をしている人も含まれているので、65歳以上でみてみると、男性で16万9,006円、女性で10万9,261円となっています。
*厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より