複数の会社が入っているオフィスビル。いつもキレイにしてくれてありがとう……とそう感謝するのは「ビルの清掃員の高齢女性」というパターンは多いのではないでしょうか。ただ、ふと疑問。「通常であれば年金を手にできる年齢なのに、なぜ働くのか」。その理由を紐解いていきましょう。
手取り7万円でも…74歳・女性「時給1,261円」で、なぜ「ビル清掃員」を続けるのか? (※写真はイメージです/PIXTA)

女性の高齢者が多い「ビルの清掃員」…その給与額は?

オフィス、商業施設、学校、病院……多くの人が利用する施設を、キレイにしてくれるビルの清掃員。よく目にするのは、女性、そして高齢者、というパターンが多いのではないでしょうか。

 

正社員のビル清掃員であれば、経験を積んだのち現場責任者になったりと、キャリアアップの道があります。また関連する資格として、厚生労働省が認定する技能検定「ビルクリーニング技能士」という資格も。ビルの所有者から委託を受けて行うビルクリーニング作業について必要な技能を評価する資格で、近年の合格率は3級で50%強、2級で40%強、1級で25%ほどです。

 

ただ学歴は高卒未満が5.5%、高卒が49.3%で、両社合わせて過半数。職に就く際に、学歴や資格を問われることはほとんどないため、高齢者や女性の割合が高くなる傾向にあります。

 

ビル清掃員として働くには、総合ビル管理会社や専門のビル清掃会社に雇用されるのが一般的で、提携先の建物で清掃を行います。清掃員の就業形態は、パートタイマーが圧倒的に多く63.9%。アルバイト(学生以外)14.8%を合わせると、8割近くにもなります。またパートタイマーの場合、1日数時間程度、週3~4日程度という短時間勤務のケースがほとんどです。

 

厚生労働省『令和3年 賃金構造基本統計調査』によると、ビル清掃員の平均年齢は男性52.2歳、女性55.3歳。月給は男性20.7歳、女性17.3万円。手取りにすると、それぞれ16万円、13万円ほど。年収は男性で291.3万円、女性で229.1万円です。

 

またパートタイマーの給与は、たとえば70代女性(平均年齢73.9歳、平均勤続年数10. 8年)であれば、平均時給は1,261円。1日あたり4.5時間、1ヵ月あたり15.4日労働。単純計算、月給は8.7万円、手取りにすると7.4万円、年収は121万円ほど。これが、毎日、いつの間にかオフィスなどをキレイにしてくれているビル清掃員の給与のイメージです。