知り合いの保険外交員の勧めで、なにげなく個人年金保険に加入した会社員のAさん。「リスクをなるべく取りたくない」という人に人気の保険ですが、ここ数年の利回りは驚愕のものとなっています。今回は保険の見直しの際に利回りを確認したAさんの事例をみていきましょう。
定年直前の59歳・会社員が膝から崩れ落ちた「個人年金保険」驚愕の利回り (※写真はイメージです/PIXTA)

個人年金保険以外にも…定年前必ず見直すべき「2つの保険」

Aさんの場合は個人年金保険で問題が発覚しましたが、定年前に見直すべき保険はほかにもあります。

 

1.医療保険

加入している医療保険のチェックポイントはいくつかあります。まず確認したいのは、「保障期間」です。終身タイプのものでしたら一生涯の保障がありますが、一定の年齢(80歳など)で保障が終了してしまうものもあります。保障が必要なときに保険金を受け取れなくなるので、必ずチェックしておきましょう。なお、現代は医療技術が進歩しており、治療法によっては高額な医療費がかかる場合があります。そのため、「生活習慣病」や「がん」などの医療保障も確認しておきましょう。

 

ただし、高齢者が改めて保険に加入するとなると保険料は高くなります。病気やケガに対しては、貯蓄で賄うことも可能ですので、十分な貯蓄があり、医療費の支払いに耐えられるのであれば、定年前から無理に医療保険やがん保険に加入する必要はありません。

 

2.死亡保険

お子さんの成長に伴って、必要な死亡保障の金額は減っていきます。特にAさんのようにお子さんが独立した場合は、高額な死亡保障は不要です。死亡保険には、終身保険という掛け捨てではない保険商品がありますが、掛け捨てでない分保険料が高いという特徴があります。

 

ただし、高いからといって簡単に解約してしまったり別の保険に乗り換えてしまったりするのはもったいない場合もあります。いまから約30年以前に契約した保険は予定利率が5.5%を超えるものがほとんどで、払い込んだ保険料の総額に対して受け取れる保険金が非常に多くなります。「お宝保険」ともいわれるものですので、若いときに加入した終身保険や個人年金等はすぐ解約せず、慎重に検討しましょう。

 

また、この終身保険に掛け捨ての定期保険が付いた「定期付終身保険」というものもあります。この定期付終身保険に加入している方は、「定期保険部分だけを解約して終身保険を残す」、というように保険料を節約する方法もあります。

 

保険の見直しの際は貯蓄額も大きく関わってきますので、定年時に受け取れる退職金の額や満期となる金融商品もあるかどうかも確認しておきましょう。

 

 

川淵 ゆかり

川淵ゆかり事務所

代表