「株式投資」と「FX」の決定的な違い
すべての投資がお金の奪い合いなのかというとそうではありません。ここでは株式投資とFXの決定的な違いを解説します。結論からいうとFXは誰かの利益が誰かの損失になる奪い合いのゲームですが、株式投資は全員が利益を得る可能性のある投資です。資株価は企業の成長と一緒に上昇していきます。つまり、その会社が成長し続ける限り、保有している株の価値は上がり続ける可能性があります。理論的には株価に天井はありません。経済や会社が成長し続ける限り株価チャートは右肩上がりになります。
青天井の可能性のある株式と異なり、FXにはある程度の上限(または下限)があります。たとえばですが1ドルが500円になる時代が来ることはまずあり得ません。為替は輸出や輸入、エネルギー資源の購入など経済の基盤を支えています。為替レートが一方的な値動きをしてしまってはその国の経済がパンクしてしまいます。そのため、各国の中央銀行が金融政策の一環として金利を調整して、過度な為替レートにならないようにしています。
株式投資とFXの違いをまとめると、株式投資は全員が儲かる可能性がある投資で、FXは限られた資源を奪い合うゼロサムゲームであるということです。手軽に始めることができるFXですが、この事実をしっかり抑えておかないと痛い目を見る可能性があります。
お金を奪い合うFXで勝者となるには?
今回の内容だとFXは難しく、限られた人しか利益を出すことができないと思われそうです。しかし、しっかりと現実を知ったうえでトレードすれば、継続して利益を出せる非常に優れた投資です。弱き者から強き者へと資金が流れていくFXの世界で、うまく利益を出していくためのポイントは大きな流れに逆らわないことです。
流れというのはトレンドを意味し、大きな流れに逆らわないというのは、長期的なトレンドに逆張りしないということです。FXでチャートを予測する方法としてファンダメンタルズ分析とテクニカル分析がありますが、どちらの分析方法でも大きな流れというものがあります。デイトレードで分析する時間軸が違うにせよ、4時間足や日足の流れは共通するはずです。初心者トレーダーであるほど、この長期的なトレンドに逆張りしがちです。
大きな流れは小規模な個人トレーダーが変えることはできません。資金力のない個人トレーダーが勝つためには、コバンザメのように資金力のある大きいトレーダーが作るトレンドに身を任せるしかないでしょう。
FXの世界は限りある資源を奪い合う厳しい世界であるという認識があれば一回一回のトレードのやり方が変わっていくでしょう。無理なトレードをして資産を奪われる側から合理的なトレードをして資産を奪う側に回ることができたら、あなたもプロトレーダーの仲間入りです。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員