トレンドが反転または継続する際に現れる、特徴的なチャートの形の「チャートパターン」。チャートパターンが形成されても思うほうに値動きが進まないのには理由があると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。なぜなのでしょうか、みていきます。
「チャートパターン」が形成されても思うほうに値動きが進まないワケ【プロFXトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

チャートパターンが崩れる原因

もしチャートパターンが必ず機能するのであれば、FXはとても簡単な投資だと思われてしまいそうですが、チャートパターンが形成されても大衆が思うほうに値動きが進まないこともしばしばあります。その原因は、人間以外の介入と大衆心理を利用して儲けようとするトレーダーにあります。

 

1つ目のチャートパターンが崩れる原因は、人間以外の介入です。人間以外というのはAIなどの機械操作によって、半自動的にエントリーしている相場参加者です。人間と違いAIは一切感情的にならず、その場の合理性に沿ってトレードします。そのため、人間が持つ一貫性を貫きたいという本能に左右されず、相場の優位性を考えたトレードをするAIのようなプログラムが相場参加者の多数を占める場合、チャートパターンが崩れる原因となります。

 

2つ目のチャートパターンが崩れる原因は、大衆心理を利用して儲けようとするトレーダーや相場参加者がいるからです。一貫性を追い求めて同じ方向に進むことで生まれるチャートパターンは、裏を返せば同じようなラインに多くの人の損切り注文があるということです。そのため、プロのトレーダーは相場の流れをみてチャートパターンがうまく機能しないと判断したときに、裏をかくかのごとく、大衆の損切りを巻き込もうとポジションを仕込むのです。

 

大衆心理を利用したトレードは、大きな損切りを巻き込んで相場を大きく動かす可能性があるので、プロのトレーダーからすると絶好のチャンスです。そのため、プロのトレーダーは有名なチャートパターンが出現し始めた際は、特に値動きに対して高いアンテナを張って、大衆心理をうまく利用し大きな収益を上げる機会を狙っています。

チャートパターンに対するプロと初心者の意識の違い

初心者トレーダーであるほどチャートパターンを盲信しがちです。プロのトレーダーは、テクニカル分析をしたうえでチャートパターンが有効かどうかを検証します。しかし、初心者トレーダーはチャートパターンが出現したことを根拠にトレードしてしまいます。チャートパターンの出現は、相場参加者の意思決定の結果であることを忘れてはいけません。

 

ときに相場参加者の意思決定は覆ることがある、ということをプロのトレーダーたちは知っています。人間に一貫性を貫きたい本能が備わっている以上、きれいなチャートパターンがでたときほど注意するべきでしょう。チャートパターンの形成の裏には、密かに大衆心理を利用し、大きな利益をあげようとしているプロのトレーダーがいることを忘れてはいけません。値動きに対して柔軟に対応し、思い込みによるトレードを少なくしていくことがプロのトレーダーへの近道でしょう。

 

また、日々のトレードで値動きに適宜対応する訓練をしていけば、いずれ雰囲気の悪いチャートパターンをみつけて、大きな利益を上げるチャンスを掴めるようになるでしょう。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員