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大衆の逆張りがトレンドを進める
為替相場で取引する多くの個人トレーダーは、継続して利益が出せない初心者トレーダーです。初心者トレーダーが利益を出せない理由の多くが、トレンドを適切に把握できていないからです。トレンドを理解できていないトレーダーは相場を主観的に捉えて、価格の手頃感で安易に逆張りをしてしまいます。
ディーラーとして活躍するトレーダーよりも保有資金の少ない個人トレーダーの損切り幅は小さく、一時的で一方的な値動きでロスカットされてしまうことが多いのです。先述したとおり、大衆はトレンド発生時に逆張りをします。
しかし、プロのトレーダーは大衆の逆張りが損切り幅の狭く脆いポジションであるということを知っています。そして、トレンドが生じたときにプロトレーダーはトレンドに順張りするような新規ポジションを多く取るのです。その結果、トレンド方向に値が進み、大衆のロスカットを招いてさらにトレンド方向への値動きが進みます。この流れは手頃感でトレードしている初心者が逆張りをやらなくなるまで続きます。
もしあなたがまだ継続して利益を上げられないトレーダーだとしたら、悲しいですが、大きなトレンドが発生したときの「もう伸びないだろう」という根拠のない自信は高確率で損切りするサインとなるでしょう。
普段のトレードで意識すべきこと
プロトレーダーは大事な場面であればあるほど主観よりも客観的な事実を受け入れようとします。大きく動く相場であればあるほど感情的に動くことは禁物です。脱初心者を目指すのであれば、自分の感情と現在の相場を客観視できる姿勢を意識してトレードに励むべきです。
相場を客観的に判断できているかどうかの基準は、トレードを振り返ったときに同じトレードをもう一度するかどうかです。この自問にYESと答えられないのであれば、自分のトレードを深く見直す必要があるかもしれません。
プロのトレーダーが継続的に利益を上げられている理由は感情に揺さぶられずに同じことを淡々と続けているからです。プロのトレーダーでも継続して利益を上げることが難しいFXの世界で、さまざまな手法やトレード戦略に手を出す初心者トレーダーが継続的な利益を上げることはほぼ不可能でしょう。
大衆心理に踊らされて無理なトレードをしないためにも、普段のトレードで自分と反対方向のポジションを取ろうとしている人がどのような考えを抱いているのか想像できるようになると、プロのトレーダーとしての道が拓けるでしょう。
清水 一喜
株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員
