「配当」と「自社株買い」に積極的な会社こそ“真の優良企業”
一方で、経営陣に影響を与えられるほど株を買えない個人投資家の場合は、そんな提言などできません。「ただ現金を貯めこんでいる会社」への投資は避けた方が無難です。
しかし、同じ「現金を貯めこんでいる会社」でも、「ただ貯めこんでいる」会社とは別に、「株主のことも考えている」会社もあります。
それが表れるのが、「配当」と「自社株買い」です。
減配が少なく増配が多く、配当性向(利益に対する支払い配当額の割合)が高い会社は、株主のことも考えている会社だといえます。そのような会社に投資をする場合は、株価が高配当利回りのときに買えば、儲かる確率が高くなるのです。
また、自社株買いに積極的な会社も、株主のことを考えているといえます。自社株買いの過程で株価も上がりやすく、自社株買い後は1株当たりの価値が濃縮されます。これもまた、株主の利益となるのです。
まとめると、同じ「現金を貯めこんでいる会社」でも、「ただ貯めこんでいる会社」と、配当や自社株買いを通じて「株主のことも考えている会社」があり、投資をするならば後者がおすすめだ、ということです。
株主のことも考えている会社こそが真の優良企業であり、安定的にキャッシュを稼いでそれを蓄積しつつ、株主の期待にも応えているといえます。
株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓