(※写真はイメージです/PIXTA)

国立社会保障・人口問題研究所「2015年社会保障・人口問題基本調査」によると、日本の挙児を希望するカップルのうち、10~15%が不妊であり、また不妊を心配したことがあるカップルは約35%におよぶとされています。未婚の人や妊活をはじめていない人であっても「もしかしたら自分は妊娠しにくい身体なのでは」と不安を抱いた経験がある人もいるのではないでしょうか。不妊症の原因を探りながら、いまからできる“不妊予防”について、めぐみクリニックの吉井紀子院長が解説します。

不妊カップルの約半数が「男性側にも要因」

不妊となりやすい要因について、主に女性に関わることを挙げてきました。

 

しかし世界保健機構(WHO)の調査報告によれば、不妊要因が男性にある場合が約4分の1、男性と女性の両方にある場合が約4分の1、つまり不妊カップルの約半数には男性側の要因も関わっているのです。

 

現代人は精子数が減少してきているという報告もあり、その原因として、環境や生活習慣の変化が挙げられています。喫煙や過剰なアルコール摂取、肥満、ストレス等は精液所見を悪化させます。将来の妊活のためにも男性も生活習慣の見直しをしてみましょう。

 

また、男性は年齢が上昇しても精子が作られますが、男性の加齢も精液所見を悪化させたり、流産率を上昇させたりすると言われています。

大切なのは「元気な赤ちゃんを授かること」

将来不妊にならないために、今からでも準備できることについてご説明してきました。しかしみなさんの最終的なご希望は、“妊娠すること”自体ではなく健康な妊婦生活を送り元気な赤ちゃんを授かることにあるはずです。

 

生殖年齢にあるすべての女性やカップルが、将来の妊娠や出産のためにご自身の生活や健康と向き合うことを『プレコンセプションケア』と呼び、2012年にWHOが推奨して以来、わが国でも浸透してきています。

 

食事の内容や質を意識すること、適度な運動の習慣をつけること、禁煙やアルコール摂取量の見直し、葉酸サプリメントの服用などもプレコンセプションケアの主要な項目です。また、風疹ワクチンを接種することや、子宮がんや乳がん、歯科の検診を受けること等もこれに含まれます。

 

日頃からご自身のヘルスケアに意識を向けてみる、婦人科に気軽に相談できるかかりつけ医をつくるなど、将来の妊娠、そして出産のためにまずできることから始めてみましょう。

 

 

吉井 紀子

めぐみクリニック

院長

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。