教員の1ヵ月の労働時間…300時間に迫る
連合総合生活開発研究所(連合総研)が9月に公表した『2022 年 教職員の働き方と労働時間の実態に関する調査結果』の中間報告で、公立教職員の1ヵ月の労働時間は過労死レベルに達していることがわかりました。
この調査は、小・中学校、高等学校、特別支援学校でフルタイム勤務、かつ授業をもっている教員を対象に2022年5月31日~6月30日に実施したもの。9,214人の有効回答が得られました。
それによると勤務日の在校等時間の平均は11時間21分。前回2015年調査では11時間29分だったので、ほぼ高止まりという状況。さらに自宅仕事時間46分も加えると、勤務日の労働時間は所定労働時間7時間45分を4時間以上も上回っています。また休日の在校等時間は平均2時間6分で、そこに自宅仕事時間1時間18分が加わり、勤務日同様、高止まりしている状況です。
1ヵ月の労働時間は293時間46分に達し、1ヵ月の所定労働時間170時間30分を100時間以上も上回り、過労死水準である月80時間をも大きく上回っています。
2015年調査と比較すると、在校時間は在校日で8分、休日で36分減少していますが、自宅仕事時間は3~4分増加し、残業時間を減少させるために自宅仕事が増加していることがうかがえます。
教員自身も長時間労働を是正しようとする姿勢がないわけではありません。仕事に臨む姿勢として、「週休日には学校で仕事をしない」が71.1%、「自宅に仕事を持ち帰らない」が66.4%、「連続休暇を取得するようにしている」が89.8%と、業務時間を抑制し、長期休業を取得しようとしています。しかし「時間外勤務が上限である月45時間、年360時間以内に収まるようにしている」という人は人は 55.9%と半数程度。業務量から半ば諦めている教員が多いようです。