FX初心者は損失を取り戻そうと「ロット」を上げることで、さらに大きな損失を出しやすいと株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。なぜなのでしょうか、みていきましょう。
FX初心者が「えぐいロットの上げ方」をなぜかしてしまうワケ ※画像はイメージです/PIXTA

負けるときの「ロット数」に要注意

FXを始めて間もない人ほど、損失することに対して負の感情を抱く人が多い傾向にあります。実はプロのトレーダーの勝率は初心者トレーダーが思っているほど高くありません。なかには初心者トレーダー以上に勝率が低いプロトレーダーもいます。 しかし、なぜ初心者より勝率が低いプロトレーダーが、大きな利益を継続的に残せるのでしょうか?

 

ポイントは負けるときのロット数にあります。 冒頭で述べたように、FXの初心者は損失を出すことに大きな抵抗があります。そのため、損をしている状態を我慢できないトレーダーが多いのです。その結果、損失を出したあとに「次こそは絶対に取り戻してやる」という心理が働き、普段の取引ロット以上のトレードをしてしまいます。 もちろんロットを上げているので、普段よりも含み損も含み益も大きくなります。たまたま含み益で取引を完結できればよいです。

 

しかし、含み損になってしまった場合は、いつも以上に膨らんだ損失をどうしたらよいか、わからなくなってしまうでしょう。 その結果、冷静さを失ったトレーダーはナンピンや塩漬けなど、普段なら行わない行動をすることで一気に自分の資産を減らしてしまいます。

初心者が負けるとロットを大きくしてしまうワケ

初心者トレーダーが負けるたびに取引ロットを大きくしてしまう理由は、「損失を悪と捉えているから」です。 プロのFXトレーダーは損切りをすることをいとわず、トータルの利益をもとめることを追求しています。このため、損切りは利益を出すための必要経費くらいにしか考えていません。また、トレードをしていくうえで損切りは必ず起こることと考えています。

 

対して、なかなか安定した収益を上げられないトレーダーは、損切りをなるべく避けるべき最悪の事態と捉えている傾向にあります。そして、完璧なトレードを目指す初心者トレーダーは普段のトレードで損切りすることを恥ずかしいことだと考えてしまいます。 完璧なトレードを目指すトレーダーは、損をすることに非常に敏感です。そのため、恥ずべき損切りをしてしまったときに1秒でも早く損を取り戻さなければという心理が働きます。

 

さらに損をしている状態を嫌う初心者トレーダーは、コツコツと損を取り返していくことには眼中になく、一気に取り戻すことしか考えていません。 その結果、普段よりも大きなロットを張って一気に損失分を取り戻すようなトレードをしてしまうのです。

 

プロトレーダーと初心者トレーダーの最大の違いである「損切りの捉え方」が収益的にも大きな差を生んでいるのです。