世の中、結局、学歴でしかない……そんな親の思いもあるのでしょうか。“地元の中学校”に進学するのではなく、私立中学校に進学する児童が増えています。東京都23区ではどれくらいの進学率なのか、みていきましょう。
東京都23区「私立中学進学率」最新ランキング…1位と23位の「受験格差」、拡大の一途 (※写真はイメージです/PIXTA)

東京都23区私立中学進学率…トップ3の顔ぶれは

では、東京都23区の私立中学受験の最新事情をランキング形式でみていきましょう(関連記事:『東京都23区「中学受験進学率」ランキング《2021年》』)。

 

進学率第3位は「中央区」で42.45%。前年度からは1ポイント弱下がりました。区内にある私立中学校は開智日本橋学園中学校だけですが、アルマーニの制服で話題となった「泰明小学校」や、39~45階に「ブルガリ ホテル 東京」が入る「東京ミッドタウン八重洲」に併設されることから、“ブルガリ小学校”ともいわれる「城東小学校」など、区域外からも入学希望者が殺到する小学校が多い土地柄。中学受験熱も高く、クラスの5人に2人以上が、私立中学校に進学しています。

 

続いて第2位は「港区」で44.69%。前年度から2ポイントほど上昇し、昨年2位の「中央区」を上回りました。区内には、「慶應義塾中等部」や男子御三家のひとつ「麻布中学校」、各界で活躍する著名人の出身校である「芝中学校」など11の私立中学校が立地しています。また南青山の「青南小学校」や白金台の「白金小学校」など、名門といわれる公立小学校も多いことで知られ、区内でも受験熱が高いことで知られています。

 

そして第1位は「文京区」で49.44%で、前年から1.5ポイントほど上昇。もはや私立中学校進学率のトップの常連といった土地柄で、区内には女子御三家の「桜蔭中学校」のほか、「筑波大学附属中学校」「東京都立小石川中等教育学校」「お茶の水女子大学附属中学校」「東京学芸大附属竹早中学校」と、人気の公立中高一貫校や国立名門附属中学校が多いのが特徴。日本の最高学府である東京大学のほか、東京医科歯科大学、お茶の水女子大学といった名門国立大学が立地することも、教育熱を高めているひとつの要因といわれています。

 

一方で23位となったのは「江戸川区」で10.27%。前年から1ポイント以上減少し、トップとの差は前年から3ポイント、一昨年からは7ポイントほど拡大。同じ東京23区とはいえ、進学熱には大きな差があるようです。それでも23位の「江戸川区」でも10人に1人は“地元”の中学ではなく、私立中学校に進学するのですから、やはり東京都区部では中学受験はなんら珍しいものではない、といっても過言ではないでしょう。

 

進学率の差はどこにあるのか、といえば、まずはロケーション。私立中学校が多く立地する都心のほうが、通学のしやすさという点でメリットがあります。また中学受験に際し、進学塾への通塾は必須条件。通塾のしやすいロケーションかどうかも、進学率に大きく影響します。そしてなんといっても親の年収。私立のほうが倍以上も学費は高いですから、経済的に余裕がないと、なかなか中学受験に挑戦とはなりません。

 

平均年収第1位の「港区」は平均年収1,000万円超え。学費の高い私立中学校でも楽々といったところでしょうか。進学率3位の「中央区」は平均年収では第4位、進学率1位の「文京区」は平均年収で第6位と、いずれも上位(関連記事:『最新「東京23区平均年収ランキング」…2021年度データで算出』)。親の年収とその子どもの中学受験率は、強い相関関係があるようです。