元通産省官僚・株式会社二十一世紀新社会システム研究所代表である、本田幸雄氏の著書『劇症型地球温暖化の危機 太陽光エネルギー革命で日本を再生する』より一部を抜粋・再編集し、日本の非正規労働者について見ていきます。
「結婚できない、子供も産めるわけがない」年棒は200万円程度…非正規雇用者の絶望 (※写真はイメージです/PIXTA)

非正規が増える「本当の怖さ」

以前なら、政治的にまずいとなれば、反主流派が政権を取って、前政権の非を改めましたが、現在は非を改めるどころか、強引に正当化し通します。戦後の労働者運動の歴史を一気に逆転してしまいました(歴史の逆行です)。

 

その後、少しは改革されているようですが、改革になっているのか、悪くなっているのか、いずれにしてもマイナーチェンジです。

 

基本的に日本の職場に正規、非正規の差別が生まれてしまいました。これでは職場もうまくいくはずはありません。人間、誰しも失敗はあります。やり直そうと努力します。戦後の日本の職場でもそれだったから発展してきたのです。

 

それが一旦、非正規になるとやり直しがききません。しかも世襲される傾向があります。

 

バブル崩壊後、不況に陥り、また、経済のグローバル化で外国品が安く入ってきて、苦しんでいた企業にとって、このような労働者派遣法があれば(実際には、派遣業種の追加でした)、好都合で最初から正社員を減らし、非正規雇用者を雇って、これを好不況の調整弁に使えばよいとなってしまいました。

 

 

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本田 幸雄

1942年、島根県生まれ。東京大学工学部機械工学科卒業。通産省入省、重工業局、資源エネルギー庁、工業技術院、(文部省出向)長岡技術科学大学教授、通産省機械情報産業局、中国通産局長。

 

通産省退職後、医療福祉研究所、(財)愛知国際博覧会協会などを経て、現在、(株)二十一世紀新社会システム研究所代表。

 

著書に『21世紀の社会システム』、『水田ハ地球ヲ救ウ』、『ベンチャービジネス成功への決定的条件』、『西暦2000年への選択』(監訳)、『地球白書』(監訳)、『21世紀地球システムの創造』(共著)など。