損切りせずに含み損を膨らませ続けると…
まず、なぜ損切りが必要になるのかを考えてみましょう。FXで長期的に収益を上げるために損切りを徹底しなければいけない理由は「想定以上の損失を出さないようにするため」です。多くのトレーダーはエントリーする前にある程度の値動きを想定します。そして新規のポジションを取ったあとに、予想とは逆の値動きをした際に損切りを検討します。
では損切りをしなかった場合、どのような事態が起こるのでしょうか。損切りせずに予想とは逆の値動きをしているポジションを放置した場合を考えてみましょう。
まず起こるのが証拠金維持率の低下に伴ったロスカットアラートの通知です。FXは証拠金という担保をもとに手持ちの資金以上の規模の取引を可能にしています。損切りせずに含み損を膨らませていくと手元の担保が減少し、持っているポジションを維持するための余力がなくなっていきます。
その結果、証券会社から強制でポジションを閉じるためのロスカットアラートが通達されます。それでもなお含み損を膨らませ続けた場合、自身の証拠金が限界を迎えて強制ロスカットが執行されます。強制ロスカットは相場からの退場を意味するので、FXを行ううえで1番の最悪の事態といえるでしょう。
最悪の事態「強制ロスカット」の回避法
FXトレードを行ううえで最悪の事態である強制ロスカットは、どのようにすれば防げるのでしょうか。ポイントは証拠金維持率を一定以上に保ち続けることです。証拠金維持率を高水準で保つためには2つの条件があります。
2.証拠金維持率が低下したときに都度入金すること
この2つのうちどちらかを意識してトレードすれば、損切りを先延ばしにすることによる強制ロスカットという最悪の事態を防ぐことができます。
まず「取引ロットを限りなく小さくする」という強制ロスカットの回避法です。取引するロットが大きければ大きいほど証拠金維持率は小さくなります。トレードする数量によって必要な担保が変動しています。つまり、損切りせずにFXで勝つ道を進みたいのであれば、手持ち金に対する取引量を小さくすればよいのです。1回のトレードの取引量が小さいと得られる利益は少なくなりますが、損切りをしないために我慢しなければいけません。
次に2つ目の「証拠金維持率が低下したときに都度入金する」という強制ロスカットの回避法です。膨らんでいく含み損に対して対応できる施策は、持っているポジションを減らすか元手を増やすかの2択です。今回は損切りをしないで収益を上げる方法なので、ロスカットを防ぐためには強い入金力が求められます。
含み損のために入金することは、悪くいえば塩漬けのポジションをより悪化させているといえます。しかし、損切りをせずに収益を上げていくためには、ときにこのような状況下でも含み損に耐える必要があるのです。