味覚障害や倦怠感、感染後も辛い「コロナ後遺症」…有効な治療法は【医師が解説】

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味覚障害や倦怠感、感染後も辛い「コロナ後遺症」…有効な治療法は【医師が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

デルタ株、オミクロン株と形を変えて流行が続く新型コロナウイルス感染症。新規感染者数はピークを過ぎましたが、いま“long COVID”とも呼ばれるいわゆる「コロナ後遺症」に悩む患者が増加しています。この後遺症について、適切な治療法はないのでしょうか。高座渋谷つばさクリニックの武井智昭先生が、現時点でわかっているコロナ後遺症の治療法について詳しく解説します。

倦怠感、味覚障害…各症状に対する具体的な治療方法

その後は、基本的には『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 罹患後症状のマネジメント第1.1版 2022/6/17』に準じて対応していきます。

 

「倦怠感」に対しては耳鼻咽喉科的アプローチ

・筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、運動後倦怠感(post-exertional malaise)

 

オミクロン株の後遺症で最も多い訴えです。倦怠感には波がありますが、調子がいいとき少し歩くなど運動したあと、その数時間後から翌日には「鉛が背中に乗るような」強い疲労感を訴えます。

 

このような症状に対して、最近では耳鼻咽喉科で「上咽頭擦過治療(EAT、Bスポット療法)」をすることにより症状が改善しているケースがあります。新型コロナウイルス感染症では鼻とのどのあいだに炎症が持続しているため、この部分の炎症を改善させるのです。

 

週1~2回程度を繰り返し実施することで、症状が改善傾向となる人も多くなっています。また、嗅覚障害・思考力低下(ブレインフォグ)・頭痛にも効果がみられる場合があります。

 

ただし、名前の通り鼻腔から上咽頭の部分を刺激するため、強い痛みが生じることが多いです。

 

集中力低下には「rTMS療法」

・集中力低下(ブレインフォグ)、認知機能の低下

 

仕事や学業などの機能・処理能力の低下や集中力の低下を訴える患者さんも多くいます。病態はまだ明らかになっていませんが、脳の血流の低下が原因とみられています。

 

これに対し、「反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)」という治療方法が有効なのではないかということが、これまでの治療経験や蓄積データからわかりつつあります。

 

この「反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)」は通常、うつ病の患者さんのなかでも抗うつ薬の効果が乏しかったり、副作用が強く内服治療が困難である方を対象に行われているものです。

 

その他にも、強迫性障害や不安障害の方にも適応があり、「コロナ後遺症」においても全身倦怠感や集中力低下といった症状に対して(精神的な要素があるという場合に)効果が期待されています。

 

「rTMS療法」は、脳の低活動領域・過活動領域に対して頭皮にコイルを置き、直接ターゲットとなる大脳皮質へ磁場刺激を繰り返すことで健康な活動パターンへ回復させる治療法です。刺激パルスを繰り返すことにより、神経繊維の機能を強化させます。

 

治療は20回~30回繰り返す必要がありますが、保険診療適応は限られているため、新型コロナウイルス後遺症の場合では自費診療です。1回1万円程度と高価であることがネックでしょう。

 

「嗅覚障害」には漢方、ステロイド点鼻薬

・嗅覚障害

 

匂いがまったく感じられない、あるいは弱くなったという機能低下の他にも、「煙臭い、焦げたにおいが続く」という異嗅症、味覚障害として口のなかが常に苦い・味が変わっているという症状の合併もあります。

 

このような症状の治療としては、前述の上咽頭擦過治療も効果的です。また、漢方の「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」やステロイドの点鼻薬投与などが実施されることも多いです。

 

この症状は2~3ヵ月持続することが多いですが、大半は約半年かければ改善することが可能です。

 

 

武井 智昭

高座渋谷つばさクリニック 院長

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。