高齢化に伴う現役世代の負担増と年金への不信感から、「このまま保険料を払い続けても、損をするだけではないか」という声が大きくなっています。実際に現役世代は年金保険料の「払い損」になるのか、考えてみましょう。
月3万円の天引きだが…厚生年金保険料「払い損」と後悔の現役世代、老後に手にする「衝撃の年金額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

大学卒業から定年まで払う「厚生年金保険料の総額」と「年金受給額」

天引きされる厚生年金の保険料。その計算は、「毎月の給与(標準報酬月額)×保険料率」「賞与(標準賞与額)×保険料率」。保険料は年金制度改正に基づき、平成16年から段階的に引き上げられ、平成29年9月にその上限に達し、現行、18.3%で固定されています。

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、日本のサラリーマンの平均月収(きまって支給する現金給与額)は、37万0,500円。標準報酬額は38万0,000円となり、保険料は6万9,540円。保険料は会社折半となりますので、実質3万4,770円が厚生年金分として天引きされている計算です。さらに年間賞与等が101万8,200円ですから、そこにも保険料がかかります。単純計算、1年の保険料は48万円ほど。これでいまの高齢者を支えているわけです。

 

さらに各年代の平均月収と年間賞与等から、大学卒業から60歳の定年までの保険料の総額をざっと計算すると、1,600万円ほどになります。

 

【男性会社員の月収と賞与の推移】

「20~24歳」243,200円/411,300円

「25~29歳」290,900円/694,500円

「30~34歳」331,900円/877,000円

「35~39歳」369,000円/1,028,800円

「40~44歳」396,500円/1,153,100円

「45~49歳」418,600円/1,250,200円

「50~54歳」443,900円/1,392,600円

「55~59歳」440,900円/1,369,900円

出所:令和3年賃金構造基本統計調査

 

※数値左:きまって支給する現金給与額、右:年間賞与その他特別給与額

 

一方で気になるのは、65歳になったときに、いくら年金が手にできるかということ。各年代、現在の平均給与を手にし60歳で定年を迎えたと仮定すると、月に16万9,000円ほど(国民年金+厚生年金)。95ヵ月以上、つまり65歳から8年弱、年金を手にしていればプラスに転嫁できることになります。「そう考えると、悪くない投資かも」と考える人も多いのではないでしょうか。

 

あくまでも現行の数値による単純計算によるものなので、実際にそうなるとは限りませんし、そもそも年金は損得で考えることではないかもしれません。ただ多くの高齢者が「年金だけでは生活できず貯蓄を取り崩している」という現実があり、将来的には「年金受給額は減額される(または目減りする)」ことが確実視されています。現役世代はいまの高齢者以上に自助努力が求められることは確かです。