変動の激しい株式相場について、どんなに優秀なトレーダーであってもどこが「底」でどこが「天井」かは誰もわかりません。ただし、そのような相場において「大損して投資の世界から退場してしまう人」にはある共通点が存在すると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。株式投資で安定して利益をだせる人とそうでない人にはどのような差があるのか、みていきましょう。
不安定な株式相場で「大勝ちする人」と「大負けする人」の決定的な差【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

心理的にリスクが限定されやすい

3つ目のトレンドフォローのメリットは「心理的負担を軽減して冷静な判断を維持することができる」ということです。

 

デイトレードで収益を上げる際に大切なことは「安定したメンタルを持ち続けること」です。1日のなかで多くの判断が求められるデイトレードでは、1つの判断ミスがその月の収益に多大な影響を与えてしまうことがあります。

 

投資初心者はエントリー回数が多ければ多いほど心理的負担が大きくなる傾向があります。逆張りすることが多い投資初心者が安定して収益を上げられない理由は膨大な取引数をこなすメンタルが成長していないためです。

 

エントリーの場所を絞ることが可能なトレンドフォローを取引の軸とすれば、無駄に精神を消耗することはありません。安定したメンタルで機械的に相場と向き合うことができれば投資初心者でも株式投資で収益を上げることは可能です。

 

利益よりも先にメンタル管理を優先できるかどうかが投資初心者を脱する鍵でしょう。プロの株式トレーダーはメンタル管理という地道な努力をしているがゆえに安定して莫大な利益を得ているのです。

スマートなトレンドフォローで利大損小を目指そう

このようにトレンドフォロー(順張り)には様々なメリットがあります。またトレンドフォローは投資初心者が継続して利益を出しやすい理由も解説してきました。

 

株式投資初心者であればあるほど相場全体の流れに逆張りする傾向があります。自分がエントリーする場所が転換点になるだろうと予測することは自由ですが、それを信じ切ってトレードするといずれ大きな損切りに巻き込まれてしまいます。

 

残酷な話ですが、株式トレードの世界では何も考えていない人から論理的に計算高く考えている人にお金が流れていく世界です。これは利益を上げられずに退場するトレーダーが多いことが物語っています。弱肉強食のトレードの世界で生き残っていくためにはまず自己のメンタル管理を徹底的に行いましょう。

 

エントリーと損切り、メンタル管理の基礎を学ぶために今回紹介したトレンドフォローの手法はよい練習機会になります。どのようなテクニカル条件が出たらエントリーするのか、どのラインで損切りするのか、連続で負けたら何を意識するのかなど相場に対して多くのことを学んでいきましょう。

 

学習を進めていくに従って、無駄なことが何かわかるようになります。無駄が省けるようになると損を小さくして利益を伸ばすプロのトレーダーへの1歩を踏み出すことができます。 本気でプロのトレーダーを目指すのであれば、1度立ち止まって自分のトレードスタイルを見直す時間を作ってみましょう。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓