(※写真はイメージです/PIXTA)

暑さのピークも越え、これからは日々秋めいてくる季節になってきました。この時期に気をつけなければいけないのが「ダニアレルギー症状の悪化」だと、京都きづ川クリニック小児科医の米田真紀子氏はいいます。今回は、ダニアレルギーになる原因と代表的な症状、それらに対する2つの治療方法についてみていきます。

ダニアレルギーは「通年性アレルギー」

アレルギーはその出現時期によって季節性と通年性に分けられます。

 

季節性アレルギーはいわゆる花粉症と同義ですが、通年性アレルギーとは、主にハウスダストに含まれるダニアレルゲンやカビ、ペットの毛やフケに反応して、季節を問わず1年中、鼻水・鼻づまりや目のかゆみなどのアレルギー症状が出る状態のことです。

 

ただし、通年性とはいえ、症状は時期により変動があることも多く、9月から12月ごろにかけては通年性アレルギーの症状が悪化しやすい時期になります。

ダニアレルギーになる原因と代表的な症状

通年性アレルギーの原因になるのは、主にヒョウヒダニと呼ばれる種類のダニで、コナヒョウヒダニとヤケヒョウヒダニといわれる2種が、ダニアレルギーの原因の9割を占めます。ヒョウヒダニは、人の垢やフケなどを含む家のホコリを餌とし、カーペットや布団などの布製品に住みつきます。

 

日本の屋内環境がよいため年中生息しますが、高温多湿を好み、特に梅雨時から夏にかけて繁殖します。

 

ダニの体そのものというより、その死骸や糞などが細かく砕かれてアレルゲンとなります。夏に繁殖したダニの寿命は約2~3ヵ月なので、秋にかけて大量のダニの死骸がハウスダストとなり、発症しやすくなります。

 

このダニアレルゲンが鼻の粘膜に付くと、鼻水や鼻閉といった鼻炎症状を起こし、目の粘膜に付くと、目のかゆみや充血といった結膜炎症状を起こし、吸いこめば気道で炎症を起こし、喘息症状が出ることもあります。

 

幼少時から皮膚が弱かったり、喘息があったりするとより低年齢で症状が出やすくなりますし、逆に低年齢からこうしたダニアレルギー症状があれば、後に喘息などのアレルギー疾患を発症しやすくなることも知られています。

 

ダニアレルギーを疑うのは、年中鼻がグズグズしているけれど特に秋口に悪化する、埃っぽいところで咳や目のかゆみ、鼻水などの症状がきつくなるというケースです。

 

診断は、多くはこうした症状や状況から判断できますが、次に紹介するような特別な治療を受ける場合には、血液検査が必要になる場合があります。

 

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