万が一の場合の遺族年金、支給額を知るには
Aさんのようにならないためには、日ごろから遺族年金額を知っておき、それに対応した「備え」をしておくことが重要です。特に、家族構成やライフステージが変わったときには、必ず備えを見直しましょう。
しかし、本記事に記載のとおり、遺族年金は老齢年金と支給対象や計算方法がまったく異なりますので、「ねんきん定期便」の額を遺族年金額として鵜呑みにしてはいけないことはもちろん、目安にすることもできないことを知っておきましょう(ただし、「ねんきん定期便」を使って遺族年金額の概算額を計算することはできます)。
それでは、遺族年金額を知るにはどうすればよいのでしょうか。主な方法として、次の4つがあります。
1.生命保険会社や金融機関などの「ねんきん計算ツール」で試算する
2.保険会社や保険代理店で相談する
3.年金事務所や街角の年金相談センターで相談する
4.社会保険労務士やFPに相談する
1は、「ねんきん定期便」を撮影したり、内容を入力することで、手軽に年金額を試算することができます。ただ、条件によっては試算額と実際の支給額が異なる場合もありますので、あくまでも目安とするべきです。
2は、保険の見直しもしたい方にはよいでしょう。ただ、応対者によっては詳しい知識を持っていない場合もあるかもしれません。また、勧められるままに余分な契約をしてしまうことのないよう、事前に商品などの下調べをして相談をしましょう。
3と4は、敷居の高さを感じるかもしれませんが、一番確実な方法でもあります。また、FPに相談をした場合には、年金額だけでなく、ご相談者ひとりひとりに合った「備え」の方法なども助言してもらえる点が大きなメリットです。
今回は会社員の夫を亡くした専業主婦の事例を取り上げましたが、最近は、夫婦の収入差が小さい共働き世帯も増えています。このような世帯は、妻に万一のことがあった場合の備えも考えておきましょう。
辰田光司
サンモールFP事務所
代表