「また値上がりしている……」と、毎日のようにため息をついている昨今。どこの家庭も、出費を切り詰めて頑張っていますが、なかなか減らせない支出のひとつが「子どもの教育費」。その実情をみていきましょう。
すべて公立でも「子ども1人に800万円…」教育にお金を出す余力もない、日本に漂う絶望感 (※写真はイメージです/PIXTA)

子ども1人が「幼稚園から大学まで」通うのにかかる教育費総額

最近の急激な物価高、その分だけ給与があがる望みも薄く……できることといったら、日々の支出を削ること。そのような状況にある人は多いのではないでしょうか。しかし、なかなか削ることができないのが教育費。子どもの将来のことを考えると、どうしても節約には二の足を踏んでしまうもの。さらに「子供の将来のため」を言い訳に、苦しい家計のなかでもさらに支出を増やしてしまったり。なかなか大変です。

 

文部科学省『平成30年度子供の学習費調査』によると、幼稚園から高校まで、すべて公立に通わせても543万円。最近はよくあるパターンで中学校から私立に通うとなると972万円になります。

 

【学校種別「子どもの教育費」】

■幼稚園

公立:223,647円/7,788円/3,036円

私立:527,916円/27,401円/5,091円

小学校

公立:321,281円/53,313円/13,015円

私立:1,598,691円/252,790円/42,560円

■中学校

公立:488,397円/202,965円/20,777円

私立:1,406,433円/153,365円/31,174円

■高等学校

公立:457,380円/106,884円/12,836円

私立:969,911円/129,313円/20,020円

 

出所:文部科学省『平成30年度子供の学習費調査』より

※数値左より、学習費総額/うち学習塾代/うち家庭教師代

 

さらにそこから大学進学となるとどうでしょう。文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』でその学費を見ていくと、初年度、国立大学の納付金は81万7800円、私立大学は文系で117万2582円、理系で154万9688円。順調に4年で卒業したら、国公立大学で250万円ほど、私立大学文系で400万円、私立大学理系で550万円程度の費用が必要になります。

 

また大学の場合、場所によっては自宅外からの通学となり、仕送りの必要があるでしょう。日本政策金融公庫『令和元年度教育費負担の実態調査』によると、仕送りの平均は年102.3万円、1ヵ月で8万5,000円ほど。自宅外の場合、国公立文系でも、4年で800万円ほどは覚悟する必要があるのです。