多くの人にとって「人生でもっとも高額な買い物」となるマイホームですが、きちんと計画を立てなければ購入を機に人生を大きく狂わすことになりかねないと、FP Officeの西田順子氏はいいます。念願のマイホームを購入したものの、ある理由で住宅ローン返済に苦しむ3組の夫婦の事例から、「念願のマイホーム」を手に入れる際に注意すべきポイントをみていきましょう。
手取り32万円の会社員「住宅ローンが払えません」…念願のマイホーム購入で“人生狂った”夫婦3組の悲惨

事例3.43歳で結婚、勧められるがままローンを組んだC夫妻

昨今の晩婚化により、40代での結婚は特段めずらしいことではなくなりました。しかし、40代で結婚し住宅ローンを組む際には、「返済年数」に注意が必要です。

 

住宅を購入してもらう側(ハウスメーカー等)は、なるべく多額のローンを無理ない返済額で返せるよう、最長の「35年」でローンを勧めることが多いです。

 

43歳で結婚して住宅を購入したCさん夫妻ですが、43歳で35年ローンを組むと最終返済は80歳前。65歳の定年時には、まだ「2000万円弱」の残債が残ることになってしまいます。

 

年金暮らしのなかローンを返済するのは現実的ではありませんし、定年時の退職金でローンを繰り上げ完済したとしても、老後の蓄えがなくなってしまいます。現役のうちに返済できるのが理想的ですが、特段の事情がなければ少なくとも定年時の残債が「1,000万円以下」になるよう設定するのが現実的です。

 

まとめ

以上3つの例をお話しさせていただきましたが、共通するのは「本当に困ったあとで相談に来ていただいても、FPとしてできることは非常に限られている」ということです。

 

住宅ローンの適正額は世帯収入の30%以下が理想という話もありますが、お子さんの人数や生活費の使い方・ご夫婦の年齢や働き方により一概にはいえません。

 

住宅購入の前にはまず詳細なライフプランニングを作成し、将来的にも問題のない金額でローン額を設定することが、幸せな人生設計のための必須条件でしょう。

 

 

西田 順子

FP Office

ファイナンシャルプランナー