首や肩のこりに悩まされている人のなかには、整体やマッサージに行っても一次的にしか効果を感じられず、またすぐにぶり返してしまうという人も多いでしょう。実は、首や肩のこりの原因は口のなかにあると、医療法人健幸会安藤歯科クリニック理事長兼院長の安藤正之氏はいいます。私たちの口のなかでいったいなにが起きているのか……詳しくみていきましょう。
「歯」と「全身」の意外な関連性
近年、虫歯菌や歯周病菌などの「歯垢」と、心臓病や脳溢血、腎臓病などの全身疾患のリスクとの関係が明らかになってきました。また、「歯垢のばい菌は肥満や糖尿病、リューマチなどとも関係がある」との研究も次々に発表されています。
このように、口のなかというのは全身と密接に関係があるものです。虫歯や歯周病の問題は、口のなかの問題のごく一部にすぎません。我々の口のなかでは、さらに恐ろしいことがおこっています。
首や肩のこりは「口腔ストレス」が原因
さて、まずあなたに質問です。あなたは現在、首や肩のこりに悩まされていませんか?
首のこりや肩こりは、今や国民病といっていいほどで、複数の製薬会社の行った調査※では、20代から50代の働く女性の60%~70%が悩まされていることが明らかになっています。
※ 株式会社ツムラ20代~40代の男女1800人実施期間2020年11月インターネット調査
※ 三共ヘルスケア30代40代の男女50000人実施期間2016年7月インターネット調査
あなたが病院に行き、そのつらさを訴えると、医師はあなたに薬を処方します。しかし、その薬を飲んでも症状が改善しないあなたは、仕方なく整体やマッサージに通います。そこで一時的にはよくなっても、またすぐに後戻りしてしまう。あなたはそんな毎日を送っていませんか?
実は、「首・肩のこり・腰痛・偏頭痛・めまいなどの症状は、「不定愁訴」という名称で、ひとくくりにされています。「不定愁訴」とは、「患者さんは訴えるが、病院で検査をしても、原因がわからないもの」の総称です。
この「首のこり」の原因が、口のなか、特に「舌」と「歯」にあるとしたら、あなたはどう思いますか?
原因の多くは、「歯」が原因で引き起こされる「舌・頬粘膜・唇への刺激」と「咬み合わせ不良」の両方だったのです。私はこれらの「歯」による刺激を、「口腔ストレス」と名付けました。以下に、口のなかにある、それぞれの刺激を記します。
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医療法人健幸会安藤歯科クリニック
院長
1987年 東京歯科大学卒業。
1989年 安藤歯科クリニックを東中野に開院。
1990年 「咬み合わせと全身の関係」の研究を始め、整体・気功・オーリングテストなどを学び、様々な治療法を研究に没頭。
1996年 歯学のみならず医学の視点から「咬み合わせと全身の関係」を追究するため、東京歯科大学の専攻生・社会人大学院生として、微生物・生理学・解剖学・生化学などを学びなおす。
1997年 医療法人社団健幸会設立。
2007年 千葉工業大学・大川茂樹教授とともに、「歯と音声の研究会」を立ち上げる。
2009年9月17日 日本音響学会において、「咬み合わせ治療の発声への影響」のタイトルで日本音響学会に研究発表。(2018年11月現在、5回の発表実績)
2018年 「舌ストレス・頬粘膜ストレス・リップストレス」及び「口腔ストレス症候群」という名称を確立。
2022年9月 日本病巣疾患研究会の学会において、10日口腔ストレス症候群についての特別講演、11日は舌ストレスについてのシンポジウムにて座長を務める予定。
肩こり・首のこりを無くすため、医師・歯科医師だけでなく、患者さんサイドにも、舌ストレスを中心とした、口腔ストレス症候群の概念を広めている。
医療法人健幸会安藤歯科クリニック理事長・院長
厚生労働省研修指導歯科医
全身咬合学会会員
日本音声学会会員
日本音響学会会員
現在、東京歯科大学生理学講座専攻生として在籍中
■安藤正之のYouTubeチャンネル「舌ストレス改善委員会」
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