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「無理のない返済プラン」だと思ったが、実は「無茶な返済プラン」だった
ただ確実と考えられた返済プランも、想定外のことで返済不能でローン破綻、という可能性もゼロではありません。一般的にローン破綻となる確率は2％程度、50人に1人の割合といわれ、決して珍しいことではないのです。そのなかでも、最近増えているといわれているのが、収入は平均値以上で、一見すると返済が困らないような人たちだといいます。前述のパワーカップルと呼ばれる人たちも、例外ではないようです。
なぜ、十分な年収があり、一見すると無理のない返済プランでありながら返済不能に陥るのでしょうか。
まず夫婦ともに十分な収入があることが前提でペアローンを組んでいる場合は要注意です。今回のコロナ禍のような未曽有の危機に襲われ「収入減」となった場合、途端、返済不能に陥ります。
また「子どもを生まない選択」をした夫婦が、想定外の妊娠でライフプランが大きく変わってしまうケースも。いまどき、女性が妊娠・出産後に仕事を続けることは珍しくありませんが、思い描いていたキャリアプラン通りにいくかというと課題が大きく、やはり収入減を覚悟しなければなりません。
さらに「離婚」というケースもゼロではないでしょう。ペアローンを活用しているなか離婚となると、売却するときに双方の同意が求められるため、片方が売りたくないと主張すれば売却が困難になりますし、お互いが連帯保証人になっているため、片方がローンに支払いを止めれば当然もう片方に負担が生じてしまいます。大きなトラブルの火種になるわけです。
また物件価格がローンの残債額を上回る「オーバーローン」の状態になっていると、売却事態が困難になります。そのため、「ローン返済をしながら夫婦のどちらかが住み続ける」となると、プラスαの住宅費を覚悟する必要がありますし、住宅ローンを1本化しようにも応じてくれる金融機関はなかなかなく、どちらにせよ茨の道です。
住宅ローンの返済は、通常30年程度の長いものになります。どんなに無理のない返済プランだといっても、「想定外」はつきもの。特にペアローンを利用すれば「無理のない返済プラン」というのは要注意。「私たちに限って離婚なんて」と考えている夫婦ほど、最悪の結末を迎えることは珍しくありません。ローン返済の王道は、夫婦、どちらかに何かあっても返済が滞らないようなマネープラン。それでも、ローンを利用している限り、誰もが等しくリスクを抱えていることを、忘れてはいけません。
