人生で最も高い買い物であろうマイホーム。いかに無理のない返済プランを考えるかがカギとなります。しかし50人に1人はローン破綻を迎えるといわれているなか、「絶対、安心の返済プラン」というのは存在しません。年収的に余裕のある家族であっても、一転、ローン破綻を迎えることも珍しくないのです。みていきましょう。
年収1500万円の金持ち夫婦…想定外の破綻を招いた、無茶すぎた住宅ローン月額 (写真はイメージです/PIXTA)

年収1500万円のパワーカップル…2人で月25万円の返済で無理なく億ションを実現

人生最大の買い物であり、イベントでもあるマイホーム購入。一般的に物件価格は年収をはるかに超えるため、住宅ローンを活用することになります。

 

そこで問題になるのが、いくらローンを組めるのか、ということ。

 

通常は物件価格の3割ほどを頭金として用意し、残りはローンを利用する、というパターンが多いですが、実際にいくら借りられるかは、その人の信用によるところが大きいので、最終的に融資が希望額分認めらなかったと、マイホーム購入を断念するケースもゼロではありません。

 

国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』によれば、新築分譲マンションの「購入総額」は平均4,674万円。そのうち「住宅ローン」は3,337万円で、年収に占めるローン返済額である「返済負担率」は18.1%です。適正な返済負担率は20~25%程度といわれているので、多くが確実なマネープランのもと、ローンを活用していることが伺えます。

 

ただ前述のように「ローンを断られた」というケースは、決して珍しくありません。同調査で、新築分譲マンション購入者の83.3%が「希望額の融資を受けられた」としていますが、「減額された(融資額の減額等をしなければ融資不可)」が7.1%、また「融資は一切できない」も7.1%、実に14%が希望通りの融資を得られたかったとしています。

 

その理由で最も多かったのが「年収」で40.9%。「年齢」が31.8%、「他の債務の状況や返済履歴」が22.7%、と続きます。金融機関でみられる返済能力、やはり年収は大きな要素のようです。

 

その点、夫婦共働きというダブルインカムの場合、片働きよりもアドバンテージがあります。特に夫婦ともに年収750万円以上で消費意欲が旺盛という「パワーカップル」といわれる人たちは、最近では億を超えるタワーマンションのメインの購入者層になっているといいます。

 

世帯年収1,500万円でペアローンを組んだとしましょう。返済負担率20%だとすると、年間返済額は300万円、月々の返済額は25万円で、1人当たり12万5,000円といったところ。夫婦2人の悠々自適な生活と考えたら、無理な金額ではありません。

 

金利1%で30年返済だとすれば、借入可能額は7,772万6,767円で、2,000万円少々の頭金を用意すれば、億ションであっても、無理のない返済プランで実現できるというわけです。