川崎病のような炎症症候群…MIS-C/MIS-A
NYU Langone Healthの Dr. Jennifer Lighter によると、小児COVID-19関連多系統炎症性症候群(Multisystem inflammatory syndrome in children: MIS-C)は5~11歳の小児によくみられ、中等症の新型コロナウイルス罹患後3~4週間で発症する傾向にあるようです。
症状は川崎病に似ており、まず発熱が数日続いたあと、以下のような症状を呈します。
・下痢
・発疹
・口唇腫脹
・手足の腫脹
また、Washington DCにあるChildren’s National Hospitalの感染症部門部長 Dr. Roberta DeBiasiによると、オミクロン関連のMIS-Cは30症例みられており、第1波の際の100症例、デルタ株流行期の60症例と比べ1/3から1/2と頻度は低くなっているようです。
年長児ほどMIS-Cに罹患しにくい傾向にあるようで、多くの研究が示しているようにワクチン接種歴と関連し、ワクチンによる発症予防効果があると考えられるとのことです。
稀に大人にも同様の症状がでることがあり、MIS-Cの診断基準をもとにMIS in Adult (MIS-A)と診断されます。MIS-Aは心臓、消化管、皮膚、脳に炎症を起こし、以下のような症状を呈し、重症化するため緊急の治療が必要になります。
・腹痛
・眼の点状出血
・下痢
・めまい
・発疹
・嘔吐
体だけではない…「ココロ」が蝕まれるパンデミック
多くの子供が「持続的な悲壮感や希望喪失」を抱く現実
Liverpool大学の行った調査では17の学校に通う1,000人以上の13~14歳の生徒のうち、65%が友達や家族が新型コロナウイルスに罹ることに対する不安、56%が友達や家族のメンタルヘルスに対する不安、37%は学校に通えない寂しさ、36%は友達関係への影響へ不安を感じていることが分かっています。
CDCの調査では、新型コロナパンデミックにより持続的な悲壮感や希望喪失を抱く生徒の割合は36.7%から44.2%に上昇しました。特にパンデミック前の段階で女子生徒では46.6%、セクシュアルマイノリティの生徒では66.3%と高い傾向にあったので注意が必要です。
さらにパンデミック中に生徒の19.9%が真剣に自殺を考えたことがあり、9%は実際に自殺を試みているという結果は、割合の上昇以上に生徒たちの抱える不安の重大さを物語っています。