新築分譲マンションの価格高騰が止まらないなか、許容範囲を超えてマンション購入に踏み切る人たちが増えています。家族総出で実現するマイホームですが、そこには大きなリスクが潜んでいます。みていきましょう。
頭金2,000万円を出して、妻がパートで働いても…平均的な「手取り33万円・40代大卒男性」では東京23区内のマンション購入は無理

高騰し続ける新築分譲マンション価格…東京23区内に買おうとしたら

多くの人にとっての夢のマイホーム。そんな夢が、さらに遠のいていくような事態になっています。不動産経済研究所の調べによると、2021年度、首都圏の新築分譲マンション1戸当たりの平均価格は6,360万円、さらに東京23区に限れば平均価格は8,449万円でした。

 

それに対して私たちの給与はどうなっているかというと、大卒男性会社員で、平均手取りは月31万6,000円ほど、推定年収は631万円ほど。分譲マンション購入者の平均年齢である40歳前半では手取りは月33万7,000円、年収676万円ほどです。

 

【大卒男性サラリーマンの月手取り額】

20~24歳:201,000 円

25~29歳:238,000 円

30~34歳:274,000 円

35~39歳:316,000 円

40~44歳:337,000 円

45~49歳:362,000 円

50~54歳:392,000 円

55~59歳:386,000 円

60~64歳:296,000 円

65~69歳:281,000 円

 

出所:厚生労働省『令和3年 賃金構造基本統計調査』より算出

※簡易的な計算によるものなので、実態とは異なる場合があります。

 

ローン返済の負担額は、年収400万円の場合、35%が限度額といわれているので、平均的な40代大卒男性の場合、236万円、月返済額は19.7万円ほどです。仮に年利1.0%、返済年数を30年とした場合、借入可能額は6,124万8,692円。利息分967万1,308円となり、返済総額は7,092万円となります。

 

単純計算、一般的な大卒のサラリーマンが23区内で平均的なマンションを買おうとしたら、頭金2,000万円を用意して、やっと買える水準だということ。40代前半までに2,000万円もの住宅資金を貯める……もちろんそれで家計の貯蓄がゼロになるのは大変なことなので、プラスαの貯蓄は必要。そう考えると、23区は諦めて、郊外のマンションが現実的、ということになりそうです。