マイホーム購入後、もしかしたら訪れる最悪の事態
もうひとつペアローンで気を付けるべきは、離婚をした際にも返済が残るということです。物件を売却しローンを完済できれば話は単純でいいのですが、その後も債務が残ったときや、一方が物件に住み続ける必要があって売れない場合は、返済が難しくなるでしょう。
「離婚なんてありえないし、そんなこと心配ない」と、多くの人は考えるでしょう。しかし、まさかの事態が起きるのが夫婦です。
厚生労働省『人口動態調査』によると、2020年、離婚件数は19万3,253組。婚姻数の減少しているため、組数自体は減少傾向にあります。
婚姻年数別にみていくと、5年に至らず離婚に至る割合は32.5%と、短期間で別離の道を選ぶ夫婦が多いようです。一方で「15~20年」が11.6%、「20~25年」が9.6%。また過去20年と比較すると、婚姻年数15年以上の割合は増加傾向にあります。
マイホーム購入者の平均年齢40代前半。その20年後、60代前半で離婚という結末に至る人も多いということです。
現在、60歳定年の会社が多数を占め、その後は、再雇用等で65歳や70歳まで働き続ける、というケースが増えています。しかし定年を境に、収入は3割減程度になるのが一般的です。
もしマイホーム購入から20年、定年をもって離婚、さらにマイホームも売却できない、という事態に陥ったら。ローンの返済は残り、さらに住居費が別途かかるという状況になり、さらに収入3割減という事態に陥ります。現役で働き続ける場合でも、決して生活は楽ではないでしょう。さらに年金だけがたより、という場合だとどうでしょう。毎月赤字が続き、生活が破綻する、という最悪の事態も考えられるでしょう。
マイホーム購入という人生の大きな夢を叶えたときは、明るい未来だけが待っていると考えるでしょう。しかし、20年後、最悪の事態が訪れたら……そんなことを見据えてローンを選択するのが賢明です。