タワマンといえば都心にそびえたち、富裕層が住んでいる……そのようなイメージが強いタワマンですが、最近は郊外型のものも増え、「こんなところにタワマン」といった状況。そんなタワマンを買う人たちは、入居後に大きな後悔を抱えることも多いのだとか。みていきましょう。
頑張って「郊外にタワマン」購入の会社員…「20年後に訪れる悲劇」

タワマン、1回目の大規模修繕のあとに起こる、まさかの事態

なぜ「頑張ってタワマン」だったのか。眺望がいい、周辺環境、耐震に強い、共有施設が充実、防犯対策が充実……そんなメリットに魅力を感じて、という人が多いようです。

 

一方でタワマン経験者からは、エレベーターが混む、洗濯物が干せない、地震の際にエレベーターが止まって大変、生活導線(宅配ボックスやごみ捨てが1階にあるなど)が不便……など、不満の声が聞こえてきます。

 

少々古い調査ですが、2016年に読売広告社が行った調査によると、今住むタワマンに住み続けたいと思っている人は1.8%だったのだとか。せっかくのタワマン、実は失敗談も数えきれないほど。

 

そして実際にタワマンを購入した人のなかには「毎月の支払いが厳しくなった」という人も多くいます。

 

なんとも無計画な……そう思ってしまいますが、そこにはタワマン特有の事情がある場合も。タワマンが最初にできたといわれているのは、1970年代。タワマンが特別なものでなくなったのは、最近のことで、その歴史は想像以上に短いものがあります。そのため「時とともにタワマンがどうなるのか」という問いに対しての回答が少なく、様々な問題が勃発しています。

 

その最たるものが維持管理費。通常マンションは15~20年ほどで大規模修繕を行いますが、それに向けて、住民から修繕積立金を徴収します。国土交通省『平成30年度マンション総合調査』によると、タワーマンションの平均修繕積立金は月1万2,305円です。

 

そんな修繕積立金の積立方式は、大きく、年数に応じて段階的に修繕積立金を値上げしていく「段階増額積立方式」か、事前に長期修繕計画を立て、そこから修繕積立金を決める「均等積立方式」があります。

 

そして「段階増額積立方式」の場合、販売戦略上、当初は安く見積もることが多いのです。しかし最初の修繕が終わった後、次の修繕に向けて……そんなタイミングで一気に値上げされる可能性が高いのです。

 

タワマン購入の際には、どうしても初期費用に目が行きがち。しかし住み続けていくなかで、思わぬ修繕積立金の値上げに「頑張ってタワマン購入」のファミリーは対応できず、破産か否かという事態に遭遇してしまうのです。

 

そもそもタワマンを維持するための「管理費」「修繕積立金」は高いものと考え、相場よりも安い場合は、十分に警戒したほうが身のためです。