Apple Watchが命を救う?自覚困難な「不整脈」対策にウェアラブルデバイスが有効なワケ【専門医が解説】

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Apple Watchが命を救う?自覚困難な「不整脈」対策にウェアラブルデバイスが有効なワケ【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不整脈のなかには、命を脅かすリスクの高いものがあり、命を守るためには、いち早く不整脈が起きていることに気づく必要があります。不整脈を診断するには心電図をとることが必須であり、実は、心電図をとるうえで有効なのがApple Watchをはじめとした「ウェアラブルデバイス」だと、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長はいいます。それぞれの特徴ついて、詳しくみていきましょう。

Apple Watchで正確に心電図を記録する「2つ」のコツ

 

Apple Watchできちんと心電図をとるためには、次のことに気をつけましょう。

 

1.計測中は指や腕を動かさない

2.Apple Watchを胸に当てて計測する

 

まず「1.計測中は指や腕を動かさない」ですが、計測している間は、デジタルクラウンに触れている指や、時計をはめた腕を動かさないように意識しましょう。記録中に指や腕が動いてしまうと、心電図の基線と呼ばれる部分が上下に動いてしまいます。その結果、大事な部分がかき消されてしまい、正しく判定できません。

 

左の部分の波が上下に揺れているのは、計測中に指や腕が動いてしまったから
左の部分の波が上下に揺れているのは、計測中に指や腕が動いてしまったから

 

次に、「2.Apple Watchを胸にあてて計測する」ですが、計測する時は指でデジタルクラウンに触れるのではなく、時計を腕から外し、時計の背面を左乳輪の下(女性なら左乳房の下)に当てて記録することをおすすめします。

 

 

通常はApple Watchを腕にはめたまま記録しますが、そうすると、人によっては心電図の波の高さが小さく映り、診断が難しい場合があります。その場合は、Apple Watchを胸に当てて記録すると、心電図の波の高さが大きくなって見やすくなり、正確に診断しやすくなります。

 

 

上の心電図が時計を腕にはめて記録したもので、下の心電図が胸に当てて記録したものです。下のほうが、心電図の波の高さが大きくなっているのが分かります。こちらのほうが、不整脈を正確に診断しやすくなります。

 

このように、心電図の計測方法にはさまざまなものがありますが、現在、特に注目を集めているのが、Apple Watchです。当院でも実施しておりますが、最近では、Apple Watchで記録した心電図をメールなどで送信し、オンラインで不整脈のリスクを診断するサービスを行っている医療機関もあります。

 

Apple Watchで記録した心電図は、正しく計測することができれば、十分、医療に活用できる正確さがあります。しかしその反面、Apple Watchによる心電図を見慣れていない医師や、不整脈に精通していない医師では正しい診断が難しいこともあります。

 

Apple Watchで記録した心電図を実際の診療に活かしてほしい場合は、Apple Watchの心電図に詳しい循環器医や不整脈医を選ぶことも大切です。

 

不整脈は重篤な場合、命を奪うリスクになることもあります。このように便利なデバイスがたくさんありますし、病院で行う心電図検査にもさまざまなものがあります。ぜひ、自分の症状やライフスタイルに応じて、最適なものを選び、日々の健康管理に役立てましょう。

 

 

桑原 大志

東京ハートリズムクリニック

院長

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。