先日、厚生労働省から『令和3年賃金構造基本統計調査』の結果が発表されました。これは主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態をさまざまな角度から明らかにするもの。最新の日本の給与事情についてみていきましょう。
平均年収585万円近く(東京)だが…都道府県の間の巨大すぎる格差

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最新「日本人の給与事情」…さまざまなシーンで見られる給与格差

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、平均給与は月30万7,400円、推定年収*は584万9,300円でした。男女別にみていくと、男性は33万7,200円(推定年収546万4,200円)、女性は25万3,600円(推定年収385万9,400円)で、男性の月額給与を100とした際に、女性の給与は75.2となりました。

 

*「きまって支給する現金給与額」と「年間賞与、その他特別給与額」から算出

 

男女間の給与格差は常々問題となっていますが、年々改善の方向にあり、この10年ほどで5ポイント近く、格差は縮まっています。

 

【給与の男女格差の推移】

2001年:65.3

2005年:65.9

2010年:69.3

2015年:72.2

2020年:74.3

2001年:75.2

 

出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より

 

ただ賃金カーブをみていくと、男性は20代前半で21万5,400円だったのが、年齢が上がるにつ入れて上昇。50代後半で41万3,600円とピークに達します。一方、女性は20代前半で21万0,700円ですが、給与の上がり幅は緩やかで、50代前半で277万9,000円に達します。

 

スタートラインでは5,000円ほどの給与差でしたが、年齢が上がるにつれて給与差は大きくなっていきます。結婚・出産を機に退職をしたり、働き方を変えるなどする女性は多く、その結果が如実にあらわれています。

 

また給与格差は、さまざまなシーンでみられます。まず学歴。高校卒の平均は27万1,500円、専門学校卒で28万8,400円、大学卒で35万9,500円、大学院卒で45万4,100円。高卒と大卒で8万円、大学と大学院卒で10万円ほどの差が生じています。

 

企業規模別では、小企業で27万9,900円、中企業で29万9,800円、大企業で33万9,700円。さらに業種でみていくと、最も高い「電気・ガス・熱供給・水道業」(41万9,700円)と、最も低い「宿泊業、飲食サービス業」(25万7,600円)で、15万円以上の差が生じています。

 

また正社員(32万3,400円)と、非正社員(21万6,700円)では、10万円を超える格差が生じていて、業種別では「電気・ガス・熱供給・水道業」で格差が最大。正社員を100とした際、非正社員は53.7となっています。