SDGsへの関心の高まる一方で、日本では『ジェンダー平等を実現しよう』の達成度が低く、課題となっています。東京都が行った調査から、性的マイノリティの人たちが置かれている現実をみていきましょう。
日本人の10人に1人が「LGBTQ」…その3割が「困難に直面」の現実

辛いと感じました…LGBTQ当事者の悲痛

同調査では特に辛いと感じた困難について、自由記述で回答を求めています。そこには、当事者の悲痛な叫びにあふれています。

 

  • 理解してほしいとは思わないが何も知らないくせに差別やいじめてくるのは辛い。
  • 女性として生きたいとカミングアウトした時の両親の無理解と悲しみ。
  • 職場でからかわれながら「ゲイでしょゲイでしょ」と告白を強要するようなコミュニケーションに 苦痛を感じた。
  • 男兄妹が私だけ、かつ長男であるため実家を継がなくてはならないかと言う疑念を抱いたとき、両親が想像しているように生きて家を継ぐことが困難だと感じて消えてなくなりたいと感じた。
  • 親族に見合いを執拗に迫られカミングアウトをしたら、病気だから治ると言い、その後は無視されている。
  • 自分の性的指向を自覚していなかった小学生のときにレズビアンであると噂が広まり、教員に呼び 出され注意された。同性愛は悪いことだと勘違いしてしまった。
  • 男性の服装を強制されるのに抵抗を感じた。
  • 男女の夫婦なら色々な制度があるが、同性だと一切補償をしてくれない。
  • 一緒に暮らし始めるため、賃貸住宅を探していたときに、男性二人では貸せないと言う物件がほとんどだった。
  • 見た目と書類の記載内容の違いにヒソヒソ話をされたこと。
  • 性別記載欄が男・女しかないとそれ以外の性別は認められないのかなという気持ちになる。
  • シャワーやトイレなどが共用のときに困る。

 

出所:東京都『性自認及び性的指向に関する調査』より

※回答原文をそのまま

 

このように様々な問題を抱える性的マイノリティの人たち。特に相談相手がいなかったり、無理解だったりして、社会的に孤立を深める人も。昨今、コロナ禍や物価高などで経済的に厳しさを増していますが、そこで困窮を極める人の中には、性的マイノリティの人たちも多いといいます。

 

日本にはびこる貧困の問題。女性の貧困、子どもの貧困、非正社員の貧困……さまざまな面で語られることの多い問題ではありますが、性的マイノリティを根本とする貧困も根深いものがありそうです。