再生可能エネルギー、電気自動車(EV)、人工知能(AI)、宇宙開発……最先端のテクノロジーと、そのような分野に進出している企業への投資を検討している投資家は少なくはないでしょう。しかし、そこには危険もひそんでいます。その理由をみていきましょう。
再エネ、電気自動車、AI…「最先端技術」への投資が実は危険な理由【投資のプロが警告】 ※画像はイメージです/PIXTA

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予想されている、「明るい未来」は本当に実現する?

有限で二酸化炭素を排出する化石燃料は用いず、太陽光や風力や地熱などを利用して環境を汚さず電気を生み出す。

 

そんな電気によって走る車にはAIが搭載され、人間は目的地を告げるだけで自動運転によってそこへ到着する。

 

AIを搭載したコンピュータやロボットが至るところに配置され、いままで人間がやっていた多くの仕事が機械化される。

 

一方、安価で手軽に宇宙に行けるようになり、宇宙旅行や地球外への定住が珍しくなくなってくる。

 

2022年の現在、そんな未来の訪れが予感されています。そして、それらに携わる企業に投資をしている、または投資を検討している投資家も、少なくはないでしょう。

 

しかし、まず十分に考えるべきなのは、「そんな未来は本当に実現するのか」という点ではないでしょうか。

 

再生可能エネルギーは電気への変換効率が低く十分な電力供給ができない、電気自動車は充電に時間がかかるし走行距離も短くコストも高い、AIもしょせんはコンピュータプログラムの一種なのでたいして役には立たない、お金持ちだけが宇宙旅行に行けるようになるだけであり、地球外への定住などそもそも不可能、という意見も実はあります。

 

どんな未来が訪れるのかはわかりません。もちろん、予感通りの明るい未来が訪れる可能性もあります。

 

しかし投資をするならば、それは絶対確実なことではない、ということを十分に考慮しておくべきではないでしょうか。

度を越した「未来への期待」が株価に織り込まれていることも…

そして、もしそれらに関連する会社に株式投資をするならば、株価にも注意が必要です。

 

明るい未来を作りそうな会社にはその分の期待が織り込まれ、株価が高くなっていることがあります。それが相応ならばよいのですが、度を越している場合もあります。

 

過去を振り返ってみると、1990年代後半から2000年代初頭の、いわゆる「ITバブル」がありました。家庭へのコンピュータとインターネットの普及により、「世界が変わる」ことが予見されたのです。

 

そして実際、世界は変わったといえます。しかしながら、株価がその実態以上の価格に上がっていたため、やがてそのバブルは弾けてしまい、株価は大きく下落しました。インターネットによる明るい未来に参画しようとIT企業に投資をして、痛い目をみた投資家も多かったのです。

 

したがって、仮にその会社が明るい未来を実現するとしても、株価の高低には十分注意する必要があるのではないでしょうか。