「医師免許をとれば一生安泰」は幻想…コロナ禍で激変した「医師の現実」

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「医師免許をとれば一生安泰」は幻想…コロナ禍で激変した「医師の現実」
(※写真はイメージです/PIXTA)

医師といえば、「高学歴・高収入・将来安泰」のイメージがあります。しかし新型コロナの流行拡大によって、その基盤に変化が生まれていると、高座渋谷つばさクリニックの武井智昭氏はいいます。本記事では、コロナ禍で生まれた「路頭に迷う医師」の現状と実態についてみていきます。

開業しても待ち受ける「いばらの道」

勤務医を続け、崇高な意思をもって地域に診療所を開設するというのも医師のキャリア形成の1つです。しかし、「ポストがない」、「どこの医療機関も採用してもらえない」、「病院の激務から逃げたい」、「お金が欲しい」等のネガティブな理由で開業をすると、その大方は失敗する傾向があります。

 

特に都心部では診療所は増加傾向にあり、相当数な競合が存在する「レッドオーシャン」です。コンセプトや戦略性がなければ生き残りは難しく、365日診療・時間外診療など利便性に基づくクリニック運営が必要となる場合もあります。これに加えて、人口が多い地区では後から開業となり患者数が低下するなど過酷な競争となる傾向があります。

 

実際、専門医資格やコンセプトなしに安易に開業し、患者数が1日20人にも到達せず月100~200万円の赤字となり、休診日も他の医療機関で日直・当直アルバイトによってクリニック経営を維持しているというような、本末転倒な医師も存在します。

ウィズコロナを生き抜くキャリアプランとは

上に挙げたような「路頭に迷う医師」にならないためには、大学医局や大規模医療機関に就職するにしても、研究職に進むにしても、自分が5年後や10年後にどのようになりたいか、具体的なビジョンを持つことが重要となります。そこから逆算してどのようなキャリア(修行)をするか深く考えたうえで、自分自身で考え切り拓いていく「開拓者」としての能力がいま、医師に試されています。

 

キャリアに裏打ちされた専門医資格と確かな知識・技術に加え、人間性があふれ安心して相談できる医師に巡り合いたい……というのが受診者の本音です。

 

担当する地域で受診者である住民の声に耳を傾け安心を届けられるように日々精進することは必須であり、崇高なキャリアビジョン、高い倫理観と医療経済概念のバランス感覚こそが、最終的には受診者の心をつかみます。

 

その信頼の積み重ねが地域住民と所属する医療機関への貢献となり、医師自身の待遇向上にもつながっていくのです。

 

 

武井 智昭

高座渋谷つばさクリニック

 

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※本記事は、オンライン診療対応クリニック/病院の検索サイト『イシャチョク』掲載の記事を転載したものです。