本記事では、ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫氏が、2021年11月のツイートをもとに基礎的な投稿状況やツイートに含まれるリンクに関する分析などを行い、「年金」を含むツイートが何を契機に投稿されているかを考察します。
就職氷河期世代と74歳現役社会を取り上げた記事が話題に…「年金」を含むツイートの基礎的な分析(2021年11月) (写真はイメージです/PIXTA)

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本稿の問題意識と分析対象…「年金」を含むツイートは、何を契機に投稿されているか?

ツイートとは、Twitterに投稿されるメッセージ(発言)である。文字数が、基本的に全角で140文字(半角で280文字)までと制限されており、「つぶやき」とも呼ばれる。

 

近年はマスコミの報道や国会審議などでも取り上げられているが、ツイートには、熟考の上で投稿されたもの、反射的に投稿されたもの、宣伝、広報、プログラムによって投稿されたものなど、様々なものが混在している。

 

本稿では、「年金」を含むツイートが何を契機に投稿されているかを考察するために、筆者がこれまでに行ったツイートの基礎的な投稿状況やツイートに含まれるリンクに関する分析を2021年11月に発信された「年金」を含むツイートに適用する[図表1]。
※ 中嶋邦夫(2021)「大臣会見でツイート数と投稿者数が急増もリツイート数はごく少数のツイートが左右:「年金」を含むツイートの基礎的な動向分析(2021年9月中下旬)」『基礎研レポート』2021-11-09号。
中嶋邦夫(2021)「日本年金機構をめぐる不祥事のほか、積立金に関する前財相の発言も話題に:「年金」を含むツイートに含まれるリンクの基礎分析(2021年10月)」『基礎研レポート』2021-11-30号。

 

[図表1]本稿が分析対象としたツイート
[図表1]本稿が分析対象としたツイート


後日実施するツイート内容の分析が最終目的であるため、分析対象とするツイートに単純なリツイート(投稿者自身の発言を含まないもの)と同日の他の対象ツイートと冒頭50字が同一なものを含んでいない。言い換えれば、分析対象とするツイートは投稿者自身の何らかの態度が示されている発言、ととらえることも出来よう。

 

以下では、発信傾向の指標として、ツイート数(発言数)、投稿者数、いいね数、リツイート数を確認する。ツイート数は、前述のとおり単純なリツイート等を含んでいない点に注意が必要である。

 

投稿者数は、分析対象としたツイートのユーザー名を日付などの集計区分ごとに名寄せした件数であり、同一の集計区分において同一のユーザー名で複数のツイートを投稿していても1名と数えている。

 

いいね数とリツイート数は、分析対象としたツイートのいいね数とリツイート数を集計区分ごとに合計した件数である。いいね数とリツイート数は時間の経過とともに変化するが、データ取得時点の値を集計している。

 

ツイートによって投稿時点からデータ取得時点までの間隔が異なるため、いいね数とリツイート数はツイート間で厳密には比較できない。ツイートへの関心を大雑把に示す指標として参照している。