株式投資の勝敗…多面的にみるか、一面的にみるか
このように、株価というのは、各投資家の多様な考え方が集約されて形成されているといえます。いろいろな考え方や未来予測のしかたがあり、その結果として多くの投資家によって売買されることで、株価は上下するのです。
そのため、投資成績を上げるためには多面的な視点が必要になります。他の投資家がどんな理由で売買するかを知ること、つまり他の投資家が持つあらゆる視点を自分も持つことで、有利になれるのです。
Aという視点から「買い」だと思って買った株が予想外に値下がりしてしまったとします。ところがそれは、Bという視点や、Cという視点から「売り」だと判断した投資家が、売ったからかもしれません。そして、もし買う前に、Bという視点やCという視点を持っていれば、その株を買うことはなく、損失は防げたかもしれません。
また皆様は、ある視点から「買い」だと思って買った株が、後に別の視点から見たら「絶対売りだ」といえることに気づき慌てて売った、という経験はないでしょうか? 持っている視点が少ないため、そういうことが起きる場合もあるのです。
逆に、あらゆる視点を持った投資家が、その全てまたは多くの視点から「買い」だと判断した株は、値上がりしていく可能性が高いでしょう。
もちろん、一人の投資家がすべての視点を持つことなどできません。また、いろいろな視点のなかでも、比較的重要な視点や、そうでない視点もあるでしょう。
しかしそれでも、投資には多面的な視点が必要な理由と、それを身につけるために勉強し続けることが重要であることは、おわかりではないでしょうか。
まとめ:勉強で多面的な視点を身につけよう
投資家は将来的な自分の利益が予測できる会社の株を買うものであり、株価には「将来への期待」が込められているといえます。
そして、「将来への期待だけでも株価は上がる」ということと、「どんな視点からその将来を予測するかは各投資家次第である」ということを忘れてはいけません。株価というのは、各投資家の多様な考え方が集約されて形成されているものなのです。
そのため、投資成績を上げるためには多面的な視点が必要になります。他の投資家がどんな理由で売買するかを知ること、つまり他の投資家が持つあらゆる視点を自分も持つことで、有利になれるのです。だから勉強して、いろいろな視点を身につけていきましょう。
株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓