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コロナ禍で「ローン破産」のリスクは高まっているが…
東京五輪が終わったら不動産バブルは弾けるといった主張はどこ吹く風、首都圏新築マンションの平均価格は6260万円と、バブル期の1990年、6123万円を超えました(不動産経済研究所調べ)。
高騰を続けるマンション価格に「価格はまだまだ上がる、買うならいまだ!」「いや5年後には下がる、だから待て!」など、さまざまな意見が乱れ飛んでいますが、専門家の意見を聞いていたら、一生マンションなんて買えません。結局のところ「買いたい」と思ったときがその人の買い時、といったところでしょうか。
好調なマンション販売の一方で、ローン破綻の数が増えているそう。
住宅ローンの破綻率は2%程度。50人に1人は破綻に追い込まれるといわれています。それがコロナ禍、給与減などに見舞われ、返済に苦しむ人が増加。住宅金融支援機構によると、返済に関しての相談件数がコロナ禍以前の2020年2月には15件だったのが、その2ヵ月後には1,000件を超えました。
コロナ禍以前は経済も上向きでしたから、給与増も期待できる機運が広がり、少々楽観的な返済プランを考えていた人も多かったのかもしれません。それが未曽有の危機を前に返済不能に陥った人もいたことでしょう。
また最近は住宅ローンの返済をきっかけに老後破産する高齢者が急増するといわれることが多くなってきました。
厚生労働省『人口動態』によると、2020年、男性の平均初婚年齢は31.0歳、女性は29.4歳。晩婚化が進んでいます。住宅購入のよくあるパターンとしては、「結婚→家族が増える→家が手狭に→子どもの将来のことも考えてマイホームを検討」というものでしょう。当然、結婚のタイミングが遅くなれば、マイホームを検討するタイミングも遅くなるわけです。
国土交通省『令和2年度住宅市場動向調査』によると、新築分譲マンション購入者の平均年齢(世帯主)は43.5歳。そこから、長い長い返済生活がスタートします。
仮に43歳で5,000万円・30年ローンを利用して、新築マンションを購入したとしましょう。
借入金額:5,000万円
返済方式:元利均等
金利(年利):当初5年間は0.6%、以降は1%
返済期間:30年
ボーナス返済:なし
返済総額は5,690万8,830円。月々の返済は、当初5年は15万1,798円、以降は15万9,337円。そして返済が終わるのは、30年後の73歳となります。