近年多くの大手企業が早期退職者募集を行っています。退職金の金額がアップされるなどのメリットから、アーリーリタイアを考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、アーリーリタイアをしたら、問題なく生活ができるのかなどの不安から、決心ができない方も少なくありません。アーリーリタイアを実現させるためには、貯蓄はいくらあればいいのでしょうか? リズム株式会社の資産コンサルタント、山崎博久氏が解説します。
会社から解放される「早期退職」実現のための「貯蓄額」…30代・40代・50代でシミュレーション

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そもそも「アーリーリタイア」とは?

アーリーリタイアとは、定年を迎える前に仕事を辞めて引退をすることです。

 

これまで正規雇用の定年は60歳〜65歳でしたが、2021年4月から正規雇用の定年を70歳にすることが努力義務として課せられています。そのため、現在正規雇用の定年は70歳になっており、60代で退職してもアーリーリタイアと呼ぶことが可能です。

アーリーリタイアとセミリタイアの違い

アーリーリタイアと似ているためよく勘違いされるのが、セミリタイアです。アーリーリタイアは基本的に早期退職後、仕事をせずに生活することになります。

 

一方でセミリタイアは、早期退職後もアルバイトやフリーランスなどで一定の収入を得ながら生活することです。ある程度は働いているため自由な時間が減りますが、一定の収入を得ることができます。

「アーリーリタイア」のメリット

アーリーリタイアのメリットは以下の3つです。

 

  • 自由な時間ができる
  • 仕事のストレスから開放される
  • 自己投資に時間を割ける

 

それぞれについて説明していきます。

 

自由な時間ができる

アーリーリタイアの最大のメリットは自由な時間ができることです。仕事をしていないため、すべての時間を好きに使うことができます。例えば、釣りや登山といった趣味や読書など自分がやりたいことに時間を費やすことが可能になるでしょう。

 

ただし、いきなり膨大な時間ができるため、時間を持て余す人も少なくありません。また、趣味を楽しむためにはそれなりの資金が必要なため、趣味を楽しむための資金を貯めておく必要があります。

 

仕事のストレスから開放される

仕事を退職して働かないことで仕事によるストレスや責任などから開放されます。また、仕事上の人間関係を煩わしいと感じている人の場合は、そういった人間関係のしがらみからも開放されます。

 

一方で、職場の人間関係がなくなることで、社会との繋がりが希薄になるため、孤独感や疎外感を感じて悩む人も多いようです。

 

自己投資に時間を割ける

アーリーリタイアは前述したように自由になる時間が非常に多いため、今までできなかった語学や資格の勉強など自己投資に時間をかけることができます。自由に動けるようになるため、語学勉強のため留学するといったことも、可能になるでしょう。

 

アーリーリタイアに資金がいくら必要?

アーリーリタイア後は、収入を得ずに生活することになるため、資金を貯めておく必要があります。では、どれくらいの資金が必要になるのでしょうか。

 

それはアーリーリタイアをする年齢や生活水準、趣味など個人によって大きく異なります。ここでは「30代」、「40代」、「50代」の年代別で、必要な資金の目安を解説していきます。