バランス型ファンドはとても優秀ですが、それでもメリットとデメリットはあります。将来の投資できる年数がだんだん短くなってきたと感じる方や、現役世代で、あまり資産運用に時間をかけられない方であれば、バランス型ファンドを選んで手間を省くのは合理的です。独立系FPが著書『ていねい図解!初心者のための投資信託教本』(日本橋出版)で「投資信託」をわかりやすく解説をします。
「バランス型ファンド」って?そのメリット・デメリットは【FPが解説】 ※写真はイメージです/PIXTA

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バランス型ファンドのメリットとデメリット

■バランス型ファンドのメリット

 

バランス型ファンドのメリットを考えてみましょう。勿論、バランス型ファンドは、複数の資産クラスが既に組み合わされているので、投資初心者にしてみると、たくさんのメリットがあります。

 

(1)手間がない

自分で、たくさんの金融商品を選ぶ必要がない。

 

(2)リスク分散効果が高い

資産クラスが異なる中で、複数の金融商品が組み込まれているので、リスク分散効果が見込まれる。

 

(3)少額での購入が可能

広い資産クラスの金融商品を保有できる割に、比較的少額で買える。

 

■バランス型ファンドのデメリット


 
なんでもそうですが、デメリットもあります。バランス型投資信託のデメリットは、

 

(1)比較的高い手数料

信託報酬が、インデックスファンドよりも、高くなる傾向があります。

 

ファンドオブファンズは、他の投資信託に投資をしているため、二重にコストを払うことになったりして、どうしても割高になる場合が多いです。

 

(2)資産バランスが固定されているものがある

配分比例固定型というタイプのバランス型ファンドは、資産バランスが完全に固定されています。一定の配分比率を最初に定め、その運用方針に沿って、運用をします。

 

例えば、債券重視型で配分比例固定型の場合、今のような超低金利時代であっても、国内債券が多めに組み込まれる設定になっていると、その比率を守って運用されます。ある一定期間、株式の運用比率を上げた方がパフォーマンスもいいだろうという判断は一切されません。


 
(3)柔軟性に欠ける

一つのパッケージ商品になっているため、この資産クラスだけ異常にパフォーマンスが悪いので、切り分けて売ってしまいたい、反対にこの資産クラスだけ非常に有望なので、そこだけ増やしたい、といったことに柔軟に対応できません。

 

また、新興国株式が上がってきたから、そこだけ利益確定したい、というようなこともできません。

 

この柔軟性に欠けるというデメリットは、資産バランスが固定されていない分、機動性があるように思える「ターゲットイヤー」型の投資信託のデメリットにもなっています。目標とする年(ターゲットイヤー)を定め、その年に向けて、株式や債券の配分を変えてくれる投資信託がターゲットイヤー型投資信託ですが、それがかえって足かせになったりします。

 

この商品は、「ターゲットイヤー△△」というように後ろに付いている数字を退職年齢や年金受け取り開始年齢に合わせて購入すると、年数によって、株式割合を増やしたり減らしたり、債券割合を増やしたり減らしたりしてくれる商品で、機械的にリバランスされます。

 

このリバランスは、「低金利時代だから今は債券に変えるべきではない」という時期でも、退職年度などのターゲットイヤーが到来すれば、株式を売却し債券購入が実行されるわけです。手数料がお手軽な商品が増えているだけに、恐らくAIの活用もされていて、あまり柔軟な運用は期待できません。

 

 

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