株を売るタイミングを計るための株価やPER等の指標、運用金額の増減……プロトレーダーである株式会社ソーシャルインベストメント取締役CTOの川合一啓氏は「あえて確認しないほうがいい」といいます。なぜなのでしょうか。みていきましょう。
株価、PER、予想配当利回り…プロトレーダーは「あえて確認しない」 ※画像はイメージです/PIXTA

運用金額の増減は特別な場合を除き確認しなくてもよい

運用金額の増減は特に、頻繁に確認していると冷静さを失いがちになるのが人間ではないでしょうか。「OO円儲かった」「XX円損した」というのは、人間にとってもっとも一喜一憂しがちな数値だからです。

 

しかし、大きな金額を投資した銘柄ほど、株価が少し変化しただけでも運用金額は大きく増減するものです。一方、小さな金額を投資した銘柄ならば、株価が大きく変化しても運用金額の増減はそれほど大きくなりません。

 

たとえば、100万円分買った株が5%下げたら5万円の損失ですが、10万円分買った株が20%下げても2万円の損失にしかなりません。投資金額の増減というのは、そういうものなのです。

 

ですから、冷静に売り時を計るためには、これはむしろ確認しない方がよい値なのかもしれません(ただし、この運用金額の増減自体を売り時の指標にする場合や、売ることは考えず単に自分の運用金額がどれくらいになったかを確認する場合などは除く)。

 

■まとめ:あえて確認しないで冷静さを保つことも重要

有名人の中には、「気持ちの安定を保つため、自分に関する報道は見ない」という人もいるようです。そして目の前の仕事だけに集中しよう、という心構えなのでしょう。

 

株を売る際にも、冷静な頭脳の働きが必要です。ですからそれと同じように、株価や、その他売り時を判断するための指標を、必要に応じた一定間隔でしか確認しないというスタイルも有益かもしれません。また、運用資産の増減などは、特別な場合以外は確認する必要すらないのかもしれません。